方針
4位置ベクトルの和を s と置く。重心操作は各点を s/3 を中心に比 −1/3 で移すので、円の中心にも同じ一次漸化式が成り立つ。これを解いて増分と極限を求める。
解答
s=a+b+c+d とおく。
(1) 各重心の位置ベクトルはOA1=3s−a,OB1=3s−b,以下同様である。点 P1 を OP1=s/3 とするとP1A1=−3a,P1B1=−3b,以下同様であり、4本の長さは等しい。従って4点は中心 P1 の同一円周上にあり、OP1=3a+b+c+d.(2) 各段階でも4点の位置ベクトルの和は s のままである。中心の位置ベクトルを pn=OPn、また p0=0 とするとpn+1=3s−3pn.この漸化式を解くとpn=4s{1−(−31)n}.よってPnPn+1=pn+1−pn=3n+1(−1)n(a+b+c+d).(3) 上式から pn→s/4 である。従ってOQ=4a+b+c+d.
別解
解法2
方針
4点の和をsとし、1回の重心操作を1つの相似変換T(x)=s/3−x/3として捉える。固定点からの変位を反転しつつ3分の1にすることから、中心列と極限を一度に求める。
解答
(1)
(1)s=a+b+c+dとおく。1回の操作で、たとえばaはT(a)=3s−aへ移る。4点すべてに同じ相似変換T(x)=3s−3xが作用する。したがって原円の中心0もp1=T(0)=3sへ移り、半径は1/3倍になる。これで(1)が示される。
(2) (2) Tの固定点qはq=3s−3qよりq=s/4である。さらにT(x)−q=−31(x−q).よって中心の位置ベクトルはpn=q+(−31)n(0−q)=4s{1−(−31)n}.したがってPnPn+1=3n+1(−1)ns.(3) 上式からpn→qである。ゆえにOQ=4s.
総評
図形操作をベクトル漸化式へ移す上位問題で目安は20分。4点の和が保存されること、円の中心にも相似変換が作用することを明確にするのが核心である。 方針だけでなく、条件を使う箇所、途中式、等号・境界の判定まで答案に明記することが安定得点につながる。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。
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出典: 京都大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。