方針
対数を取って F(x)=(x−1)loga−logx と置く。すべての正数で F(x)≧0 かつ F(1)=0 なので、x=1 が極小となるための微分条件から a を一意に決め、指数関数の基本不等式で十分性を示す。
解答
条件はax−1≧x(x>0)と同値である。対数を取ってF(x)=(x−1)loga−logxとおくと、すべての x>0 で F(x)≧0 かつ F(1)=0 である。従って x=1 は極小点であり、F′(1)=loga−1=0.よって必要条件は a=e である。
逆に a=e のとき、示すべき式は ex−1≧x である。H(x)=ex−1−x とおけばH′(x)=ex−1−1なので x=1 で最小値0をとる。従ってすべての正数 x で成立する。求める定数はa=eだけである。
別解
解法2
方針
条件をax−1≧xへ直し、x>1と0<x<1でそれぞれaの上下界を取る。x→1の極限で必要値を挟み、基本不等式で十分性を確認する。
解答
条件はax−1≧x(x>0)と同値である。x>1では正のx−1乗根を取ってa≧x1/(x−1).x→1+0とするとa≧e.一方0<x<1では指数x−1が負なので、a≦x1/(x−1).x→1−0としてa≦e.ゆえに必要条件はa=eである。
逆にa=eとする。関数ϕ(x)=x−1−logxはϕ′(x)=1−x1よりx=1で最小値0を取る。したがってlogx≦x−1、すなわちx≦ex−1.よって条件はすべてのx>0で成り立つ。結論はa=eだけである。
総評
全称不等式から接点条件を取り出す問題で目安は12分。x=1 で常に等号となることに気づき、必要性だけでなく a=e の十分性も示す必要がある。 方針だけでなく、条件を使う箇所、途中式、等号・境界の判定まで答案に明記することが安定得点につながる。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。
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出典: 京都大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。