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京都大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

nは0または正の整数とする。
anを,a0=1a1=2an+2=an+1+anによって定める。
anを3で割った余りをbnとし,cn=b0++bnとおく。

(1) b0,,b9を求めよ。

(2) cn+8=cn+c7であることを示せ。

(3) n+1cn32(n+1)が成り立つことを示せ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

数列整数 漸化式の変形、剰余分類、不等式評価

方針

数列そのものではなく,3で割った余りの組(bn,bn+1)を追う。漸化式が2つ前までで決まるため,同じ組が再び現れれば以後は周期的に繰り返す。(1)で(b8,b9)=(b0,b1)まで確認し,(2)では1周期8項の和がc7=9であることを使う。(3)ではn+1個の項を8項周期のまとまりと端数に分け,端数部分の和を表で押さえて上下評価する。

解答

(1) an+2=an+1+anを3で割った余りで見れば bn+2bn+1+bn(mod3) である。bn0,1,2のいずれかなので,順に計算するとn0123456789bn1202210112である。

(2)
(1)より (b8,b9)=(1,2)=(b0,b1) である。余りの列は隣り合う2項で次が決まるから,これ以後も同じ並びが繰り返される。したがって bn+8=bn がすべてのnで成り立つ。

また c7=b0+b1++b7=1+2+0+2+2+1+0+1=9 である。よってcn+8=b0+b1++bn+bn+1++bn+8=cn+(bn+1++bn+8)であり,後ろの8項は1周期分の和だから9=c7である。したがって cn+8=cn+c7 を得る。

(3) cnb0からbnまでのn+1項の和である。そこで n+1=8q+r(q0, 0r<8) と書く。8項1周期の和は9であるから,q周期分の和は9qである。

端数r項の和をsrとすると,srr01234567sr01335788である。この表から各rについて rsr32r が確かめられる。したがって cn=9q+sr であり,下からは cn=9q+sr8q+r=n+1 となる。上からは cn=9q+sr12q+32r=32(8q+r)=32(n+1) である。

よって n+1cn32(n+1) が成り立つ。

別解

解法2

方針

余りの組を有限状態として巡回させ、8項周期を一周する図で確認する。和は「完全な周期」と「周期の先頭部分」に分けて評価する。

解答

(1)
vn=(bn,bn+1) とおく。法3でvn+1=(bn+1,bn+bn+1)であるから、(1,2)(2,0)(0,2)(2,2)(2,1)(1,0)(0,1)(1,1)(1,2)となる。したがって(b0,,b9)=(1,2,0,2,2,1,0,1,1,2).(2)
最初の組 (1,2) が8段後に初めて戻り、次の組は直前の組だけで決まるのでbn+8=bnである。1周期の和はb0++b7=9=c7.よって、どこから連続8項をとっても和は9であり、cn+8cn=bn+1++bn+8=c7.(3)
n+1=8q+r (0r<8) とする。周期の先頭 r 項の和を
sr とすればr01234567sr01335788である。表から rsr3r/2 であり、cn=9q+sr.したがって8q+rcn12q+32r,すなわちn+1cn32(n+1)となる。

総評

フィボナッチ型の漸化式を余りの周期に落とす標準問題。難度は標準で,目安時間は15分程度。(1)で10項まで書くのは単なる計算ではなく,(b8,b9)=(b0,b1)を見つけるためである。(2)では「同じ2項が出たので以後も同じ」と説明できるかが得点差になる。(3)はn項ではなくn+1項の和である点に注意し,n+1=8q+rと置くのが自然である。端数表を省くと不等式の確認が曖昧になりやすい。

余りの組の周期を明示し、8項の完全周期と端数表の両方から評価した。

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出典: 京都大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。