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京都大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

0<abをみたす実数abに対し,
数列{an}{bn}a1=ab1=b
an=an1bn1bn=an1+bn12 (n2)によって定める.

(1) すべての自然数nに対し,anan+1bn+1bnが成り立つことを示せ.

(2) すべての自然数nに対し,
bn+1an+118an(bnan)2が成り立つことを示せ.

(3) a=100b=900のとき,bnan<4をみたす最小のnを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

数列方程式・不等式 不等式評価数学的帰納法、計算整理

方針

相加平均と相乗平均の関係から,anbn が保たれること,さらに anan+1bn+1bn が従う。(2)では差を {(bnan)}2/2 に直し,分母 (bn+an)24an 以上で評価する。(3)は第3項まで正確に計算し,まだ差が4以上であることを示したうえで,(2)の評価により第4項で4未満になることを確認する。

解答

(1)

まず 0<anbn と仮定する。このとき an+1=anbn,bn+1=an+bn2 である。anbn だから an2anbn より ananbn=an+1 である。また相加平均と相乗平均の関係から an+1=anbnan+bn2=bn+1 であり,さらに bn+1=an+bn2bn である。したがって anan+1bn+1bn が成り立つ。初めに 0<a1=ab=b1 であるから,帰納法によりすべての自然数 n で成り立つ。

(2)

定義よりbn+1an+1=an+bn2anbn=an+bn2anbn2=(bnan)22である。ここで bnan=bnanbn+an だから bn+1an+1=(bnan)22(bn+an)2 である。bnan>0 より bn+an2an なので 2(bn+an)28an である。したがって bn+1an+1(bnan)28an が成り立つ。

(3) a=100b=900 のとき a1=100,b1=900 である。よって a2=100900=300,b2=100+9002=500 である。さらに a3=300500=10015,b3=300+5002=400 である。

ここで b2a2=200>4 であり,また b3a3=40010015 である。40010015>415<9925 と同値で,両辺は正であり 15<9801625 が成り立つので,確かに b3a3>4 である。

(2)n=3 に用いると b4a4(40010015)2810015 である。右辺が4未満であることは (40010015)2<320015 を示せばよい。両辺を10000で割ると (415)2<82515 であり,左辺は 31815 であるから,これは 31<2082515 と同値である。両辺を2乗すると 961<4326462515 であり,右辺は 1038 より大きいので成り立つ。したがって b4a4<4 である。

以上より,bnan<4 を満たす最小の nn=4 である。

別解

解法2

方針

相加平均と相乗平均の大小を平方差から直接証明する。
dn=bnan には厳密な恒等式を作り、平方根の分母を
an だけで下から評価する。(3)は第3項まで正確に計算し、
第4項だけ評価式で4未満に落とす。

解答

(1)

0<anbn とする。まずan+12an2=an(bnan)0だから anan+1 である。またbn+12an+12=(an+bn2)2anbn=(bnan)240より an+1bn+1 である。さらにbnbn+1=bnan20.初期条件 0<a1b1 から帰納的にanan+1bn+1bnがすべての n で成り立つ。

(2)

dn=bnan とおくとdn+1=an+bn2anbn=(bnan)22=dn22(bn+an)2.分母は 8an 以上なのでdn+1dn28an.(3)(a1,b1)=(100,900),(a2,b2)=(300,500),(a3,b3)=(10015,400).d2=200>4 である。またd3=100(415)>4である。実際、両辺を100で割った不等式は15<99/25 と同値で、平方すれば確かめられる。

一方、(2)と a3=10015 からd410000(415)280015<4.最後の不等式は31815<81525を平方して確認できる。したがって最小の nn=4である。

総評

相加平均と相乗平均の反復を扱う数列不等式である。難易度は5,計算量は4程度で,想定時間は18分前後。(1)は単調性を一度に示すより,anan+1an+1bn+1bn+1bn に分けると崩れにくい。(2)は差を平方に直す式変形が核心である。(3)では第3項がまだ条件を満たさない確認と,第4項で4未満になる評価の両方が必要で,片方だけでは最小性の証明にならない。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 京都大学 1996年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。