方針
2根へ余り式を代入してrnを明示し、単調条件を根の不等式へ翻訳する。全nでの成立条件を根の1との大小で分類してから係数平面へ戻す。
解答
α,βを余り式へ代入するとrnα+sn=αn,rnβ+sn=βn,従ってrn=α−βαn−βn.(1)
rn+1>rnはαn(α−1)>βn(β−1)と同値である。βn>0で割ればβ−1<(βα)n(α−1).(2)
α>β>0のもとで上の不等式がすべてのnで成り立つ条件を調べる。α≧1なら、β≦1では左辺が0以下・右辺が0以上、β>1ではα/β>1かつα−1>β−1なので常に成り立つ。逆にα<1なら0<β<α<1であり、条件は(α/β)n(1−α)<1−βとなるが、左辺はn→∞で発散するので不可能である。従って根での必要十分条件はα>β>0,α≧1.解と係数の関係からa=−(α+β)<0,b=αβ>0、判別式a2−4b>0である。大きい根(−a+a2−4b)/2≧1を整理すると、a≦−2では自動的に成り立ち、−2<a<0ではb≦−a−1となる。正値・判別式も合わせて{a≦−2,0<b<a2/4,−2<a<−1,0<b≦−a−1.これが求める範囲である。第1領域は放物線b=a2/4の下側で放物線を含まず、第2領域は直線b=−a−1以下で直線を含む。
(a,b) の存在範囲
別解
解法2
方針
rn+1−rn を根 α,β で直接表す。
全自然数 n で正となるかを α<1 と
α≧1 に分け、最後に大きい根の公式を係数条件へ直す。
解答
(1)
余りを2根へ代入するとrn=α−βαn−βn.したがってrn+1−rn=α−βαn(α−1)−βn(β−1).α−β>0 だから、増加条件はβ−1<(βα)n(α−1)と同値であり、(1)を得る。
(2)
α≧1 なら、β≦1 の場合は左辺が0以下、
右辺が0以上である。β>1 の場合も(βα)n>1,α−1>β−1だから常に成立する。
逆に α<1 なら 0<β<α<1 であり、条件は(βα)n(1−α)<1−βとなる。しかし α/β>1 なので左辺は
n とともに限りなく大きくなり、全 n では成立しない。
よって根に関する必要十分条件はα>β>0,α≧1.解と係数の関係からa<0,b>0,a2−4b>0.大きい根α=2−a+a2−4bが1以上という条件を加える。a≦−2 なら自動的に成立する。
−2<a<0 では両辺を安全に平方できa2−4b≧(a+2)2すなわち b≦−a−1 となる。b>0 も合わせると⎩⎨⎧a≦−2,0<b<4a2,−2<a<−1,0<b≦−a−1.放物線境界は含まず、直線境界は含む。
総評
難度8、計算量7。余りの係数を根の冪差として表すことで、無限個の単調条件をα≧1の一条件へ集約した。係数平面へ戻す際はa=−2を境に平方可能性が変わるため、境界の包含も分けて確認した。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。
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出典: 京都大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験 後期 文系第1問・理系第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。