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京都大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

nが相異なる素数pqの積,n=pq,であるとき,
(n1)個の数nCk (1kn1)の最大公約数は1であることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安18

整数場合の数 約数・倍数、素因数分解、計算整理

方針

全ての二項係数の最大公約数をDとすると、まずnC1=n=pqよりDpqの約数である。したがってD=1を示すには、Dpでもqでも割り切れないことを示せばよい。pを消すにはpqCpを見て、分子のp個の連続因子の中でpの倍数が最初のpqだけであることを数える。同様にpqCqを使ってqも排除する。

解答

求める最大公約数をDとする。すべてのnCkの中に nC1=n=pq が含まれるので、Dpqの約数である。したがって、Dpでもqでも割り切れないことを示せば、D=1が従う。

まずpについて調べる。 pqCp=pq(pq1)(pq2)(pqp+1)p! である。分子に現れるp個の整数 pq, pq1, pq2,, pqp+1 のうち、pで割り切れるものはpqだけである。分母p!にもpはちょうど1回だけ含まれる。したがって、分子と分母に含まれるpの因子はちょうど打ち消し合い、pqCppで割り切れない。

よって、すべての二項係数の公約数であるDpでは割り切れない。

同様に pqCq=pq(pq1)(pq2)(pqq+1)q! を考えると、分子のq個の連続因子の中でqの倍数はpqだけであり、分母q!に含まれるqとちょうど打ち消し合う。したがってpqCqqで割り切れない。ゆえにDqで割り切れない。 Dpqの約数であり、しかもpでもqでも割り切れない。したがって D=1 である。

別解

解法2

方針

解法1の素因数の個数の議論を合同式に置き換える。pqCpqp1 個の比の積に分け、各因子を p を法として簡約する。結果が0でないことから最大公約数に p が入らないと示し、p,q を交換して q も排除する。

解答

最大公約数を D とする。pqC1=pqだから Dpq である。

p を法として pqCp を調べる。pqCp=q(pq1)(pq2)(pqp+1)(p1)!.1,,p1 はすべて p を法として逆数を持ち、pqii(modp).従ってpqCpq(1)p1≢0(modp).最後の不等号は pq がともに素数であることによる。よって pqCpp で割り切れず、すべての二項係数の公約数 Dp では割り切れない。

同様に p,q を交換するとpqCqp(1)q1≢0(modq)だから、Dq でも割り切れない。

Dpq の約数であり、その素因数 p,q のどちらも持たない。従ってD=1.

総評

二項係数全体の最大公約数を、特定の2つの二項係数で素因数ごとに排除する問題である。難度は標準上位、目安時間は18分前後。最初にnC1=pqを見て最大公約数の候補を1,p,q,pqに絞ると、証明の目的が明確になる。pqCpでは「分子の中でpの倍数が何個あるか」を数えるだけでよいが、分母のp!と打ち消した後にpが残らないことまで書くと答案として堅い。

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出典: 京都大学 1997年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。