方針
(1) では f(a+2n−1)−f(a) を展開し、2n で割った後の偶奇を見る。f(a) が 2n の倍数で n≧3 なら a は奇数であるため、f(a)/2n が奇数の場合にはずらした方が1段高い 2n+1 の倍数になる。(2)は a=1 で 23 まで出発し、(1)を使って割り切れる2の指数を帰納的に上げる。
解答
(1)
まず差を計算する。 f(a+2n−1)−f(a)=(a+2n−1)2+7−(a2+7) =2na+22n−2 である。n≧3 なので 2n−2≧n+1 であり、22n−2 は 2n+1 の倍数である。
また、仮定より f(a)=a2+7 は 2n の倍数であり、特に 8 の倍数である。もし a が偶数なら a2+7 は奇数であり、8の倍数にはならない。したがって a は奇数である。 f(a)=2nu とおく。u が偶数なら、f(a) はすでに 2n+1 の倍数である。u が奇数の場合を考える。このとき f(a+2n−1)=f(a)+2na+22n−2 だから、2n で割って偶奇を見ると 2nf(a+2n−1)=u+a+2n−2 である。ここで n≧3 なので 2n−2 は偶数であり、u と a はともに奇数である。よって u+a+2n−2 は偶数である。したがって f(a+2n−1) は 2n+1 の倍数である。
以上より、f(a) と f(a+2n−1) のうち少なくとも一方は 2n+1 の倍数である。
(2) a=1 とすると f(1)=12+7=8 である。したがって n=1,2,3 については、an=1 とすれば f(an) は 2n の倍数である。
次に、ある n≧3 について、f(a) が 2n の倍数となる自然数 a が存在すると仮定する。(1)より、a と a+2n−1 のどちらかを選べば、その値を a′ として f(a′)≡0(mod2n+1) となる。しかも a′ は自然数である。
したがって n=3 から始めてこの操作を繰り返すことで、任意の自然数 n に対して、f(an) が 2n の倍数となる自然数 an が存在する。
別解
解法2
方針
f(a)=2nu と書き、候補を a+ε2n−1(ε=0,1)に統一する。商の偶奇が ε の選択で必ず0になることを示し、その選択を帰納的に繰り返す。
解答
(1)
f(a)=2nu と書く。n≧3 なので a は奇数である。実際、偶数なら a2+7 は奇数となる。
ε=0,1 に対してaε=a+ε2n−1とおく。展開すると2nf(aε)=u+εa+ε2n−2.右辺を2で見れば 2n−2 は偶数、a は奇数だから2nf(aε)≡u+ε(mod2).u が偶数なら ε=0、奇数なら ε=1 を選べば、この商は偶数になる。従って f(a) と f(a+2n−1) の少なくとも一方は 2n+1 の倍数である。
(2) f(1)=8だから n=1,2,3 では an=1 とできる。n≧3 で 2n∣f(an) とする。(1)の ε を選び、an+1=an+ε2n−1と定めれば2n+1∣f(an+1).従って数学的帰納法により、すべての自然数 n に対して所要の自然数 an が存在する。
総評
2のべきによる割り切れ方を1段ずつ上げる整数問題で、想定時間は25分程度。差 f(a+2n−1)−f(a) を計算した後、2n で割った商の偶奇を見るのが核心である。a が奇数である理由を 8 での割り切れ方から示すこと、f(a)/2n が偶数か奇数かで分けることを省略しない方がよい。(2)は存在証明なので、具体的な閉じた式を作る必要はなく、(1)を帰納法のステップとして使えば十分である。
冊子PDFで見る京大の整数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1998年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。