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京都大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

f(x)=x2+7とおく.

(1) nは3以上の自然数で,ある自然数aにたいしてf(a)2nの倍数になっているとする.
このときf(a)f(a+2n1)のうち少なくとも一方は2n+1の倍数であることを示せ.

(2) 任意の自然数nにたいしてf(an)2nの倍数となるような自然数anが存在することを示せ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

整数数列 合同式、数学的帰納法、剰余分類

方針

(1) では f(a+2n1)f(a) を展開し、2n で割った後の偶奇を見る。f(a)2n の倍数で n3 なら a は奇数であるため、f(a)/2n が奇数の場合にはずらした方が1段高い 2n+1 の倍数になる。(2)は a=123 まで出発し、(1)を使って割り切れる2の指数を帰納的に上げる。

解答

(1)
まず差を計算する。 f(a+2n1)f(a)=(a+2n1)2+7(a2+7) =2na+22n2 である。n3 なので 2n2n+1 であり、22n22n+1 の倍数である。

また、仮定より f(a)=a2+72n の倍数であり、特に 8 の倍数である。もし a が偶数なら a2+7 は奇数であり、8の倍数にはならない。したがって a は奇数である。 f(a)=2nu とおく。u が偶数なら、f(a) はすでに 2n+1 の倍数である。u が奇数の場合を考える。このとき f(a+2n1)=f(a)+2na+22n2 だから、2n で割って偶奇を見ると f(a+2n1)2n=u+a+2n2 である。ここで n3 なので 2n2 は偶数であり、ua はともに奇数である。よって u+a+2n2 は偶数である。したがって f(a+2n1)2n+1 の倍数である。

以上より、f(a)f(a+2n1) のうち少なくとも一方は 2n+1 の倍数である。

(2) a=1 とすると f(1)=12+7=8 である。したがって n=1,2,3 については、an=1 とすれば f(an)2n の倍数である。

次に、ある n3 について、f(a)2n の倍数となる自然数 a が存在すると仮定する。(1)より、aa+2n1 のどちらかを選べば、その値を a として f(a)0(mod2n+1) となる。しかも a は自然数である。

したがって n=3 から始めてこの操作を繰り返すことで、任意の自然数 n に対して、f(an)2n の倍数となる自然数 an が存在する。

別解

解法2

方針

f(a)=2nu と書き、候補を a+ε2n1ε=0,1)に統一する。商の偶奇が ε の選択で必ず0になることを示し、その選択を帰納的に繰り返す。

解答

(1)
f(a)=2nu と書く。n3 なので a は奇数である。実際、偶数なら a2+7 は奇数となる。

ε=0,1 に対してaε=a+ε2n1とおく。展開するとf(aε)2n=u+εa+ε2n2.右辺を2で見れば 2n2 は偶数、a は奇数だからf(aε)2nu+ε(mod2).u が偶数なら ε=0、奇数なら ε=1 を選べば、この商は偶数になる。従って f(a)f(a+2n1) の少なくとも一方は 2n+1 の倍数である。

(2) f(1)=8だから n=1,2,3 では an=1 とできる。n32nf(an) とする。(1)の ε を選び、an+1=an+ε2n1と定めれば2n+1f(an+1).従って数学的帰納法により、すべての自然数 n に対して所要の自然数 an が存在する。

総評

2のべきによる割り切れ方を1段ずつ上げる整数問題で、想定時間は25分程度。差 f(a+2n1)f(a) を計算した後、2n で割った商の偶奇を見るのが核心である。a が奇数である理由を 8 での割り切れ方から示すこと、f(a)/2n が偶数か奇数かで分けることを省略しない方がよい。(2)は存在証明なので、具体的な閉じた式を作る必要はなく、(1)を帰納法のステップとして使えば十分である。

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出典: 京都大学 1998年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。