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京都大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

2つの放物線y=x2+1y=kx2 (k>1)で囲まれた部分の面積が
第1の放物線上の点P(a,a2+1)における接線Lによって2等分されている
(すなわち,Lの上側にある部分の面積と下側にある部分の面積が等しい).

(1) a2kで表せ.

(2) limka2を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30

積分微分 面積計算接線・法線極限計算

方針

h=k1とおくと、2つの放物線で囲まれる部分はy=x2+1y=x2+1hx2の差1hx2で表される。まず全体の面積を求める。接線は上側の放物線の接線なので、接線と下側の放物線y=kx2との間の面積が、接線の下側にある部分の面積になる。この差を平方完成し、正になる区間で積分するとD=ka2(k1)3/2乗で表せる。これを全体面積の半分に等置してa2を解き、最後にkの極限を取る。

解答

(1)
h=k1 とおく。2つの放物線の交点は x2+1=kx2 より 1=hx2,x=±1h である。囲まれた部分の面積をTとするとT=1/h1/h{(x2+1)kx2}dx=1/h1/h(1hx2)dx=2[xh3x3]01/h=43h=43k1.P(a,a2+1)における放物線y=x2+1の接線は y=2axa2+1 である。この接線と下側の放物線y=kx2との差は (2axa2+1)kx2=kx2+2axa2+1 である。平方完成するとk(xak)2+1a2+a2k=ka2(k1)kk(xak)2である。

ここで D=ka2(k1) とおく。接線と下側の放物線の間の面積は、上の式が正である範囲で {Dkk(xak)2}dx を計算すればよい。正である範囲は xak<Dk なので接線の下側の面積=D/kD/k(Dkku2)du=2[Dkuk3u3]0D/k=4D3/23k2.接線が面積を2等分するので、この面積はT/2に等しい。したがって 4D3/23k2=23k1 である。これより D3/2=k22k1 となり、両辺を2/3乗して D=kk4(k1)3 を得る。D=ka2(k1)であるからa2=kDk1=kk1(1k4(k1)3)である。なお、実際にこのような接線が存在する場合には右辺はa20を満たす。

(2)
(1)の式でkとすると kk11,k4(k1)14 である。したがって limka2=1143=1143 である。

別解

解法2

方針

放物線で切り取られる部分の面積公式を使う。差が Hc(xx0)2 の形なら、半幅 w=H/c で囲まれる面積は 4Hw/3 である。全体のレンズと接線下の部分にこの公式をそれぞれ適用し、面積比 1:2 から a2 を求める。

解答

次の面積公式を使う。Hc(xx0)20で切り取られる放物線部分は、半幅 w=H/c を用いて面積=43Hw.(1)これは xx0=wu と置けばHw11(1u2)du=43Hwから得られる。

(1)
2放物線の差は1(k1)x2.(1)で H=1, w=1/k1 とすれば、全体の面積はT=43k1.P(a,a2+1) での接線はy=2axa2+1.この直線と y=kx2 の差を平方完成し、D=ka2(k1)と置くとDkk(xak)2.従って H=D/k, w=D/k であり、接線より下にある部分の面積は4D3/23k2.これが T/2 に等しいから4D3/23k2=23k1.よってD=kk4(k1)3.D=ka2(k1) へ戻してa2=kk1(1k4(k1)3).右辺が非負となるのは k4/3 であり、問題の接線が存在する場合はこの条件を満たす。

(2) limka2=1143=1143.

総評

放物線間の面積を接線で二等分する計算量の重い問題である。難度は高く、目安時間は30分前後。全体面積、接線、接線と下側放物線の差、平方完成、面積半分の方程式という順に書くと崩れにくい。特に接線は上側放物線の下にあるので、接線より下側の部分は「接線とy=kx2の間」であることを図で確認してから積分するとよい。D=ka2(k1)を置くと式が短くなり、3/2乗を解く場面でミスを減らせる。

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出典: 京都大学 1997年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。