方針
h=k−1とおくと、2つの放物線で囲まれる部分はy=x2+1とy=x2+1−hx2の差1−hx2で表される。まず全体の面積を求める。接線は上側の放物線の接線なので、接線と下側の放物線y=kx2との間の面積が、接線の下側にある部分の面積になる。この差を平方完成し、正になる区間で積分するとD=k−a2(k−1)の3/2乗で表せる。これを全体面積の半分に等置してa2を解き、最後にk→∞の極限を取る。
解答
(1)
h=k−1 とおく。2つの放物線の交点は x2+1=kx2 より 1=hx2,x=±h1 である。囲まれた部分の面積をTとするとT=∫−1/h1/h{(x2+1)−kx2}dx=∫−1/h1/h(1−hx2)dx=2[x−3hx3]01/h=3h4=3k−14.点P(a,a2+1)における放物線y=x2+1の接線は y=2ax−a2+1 である。この接線と下側の放物線y=kx2との差は (2ax−a2+1)−kx2=−kx2+2ax−a2+1 である。平方完成すると−k(x−ka)2+1−a2+ka2=kk−a2(k−1)−k(x−ka)2である。
ここで D=k−a2(k−1) とおく。接線と下側の放物線の間の面積は、上の式が正である範囲で ∫{kD−k(x−ka)2}dx を計算すればよい。正である範囲は x−ka<kD なので接線の下側の面積=∫−D/kD/k(kD−ku2)du=2[kDu−3ku3]0D/k=3k24D3/2.接線が面積を2等分するので、この面積はT/2に等しい。したがって 3k24D3/2=3k−12 である。これより D3/2=2k−1k2 となり、両辺を2/3乗して D=k34(k−1)k を得る。D=k−a2(k−1)であるからa2=k−1k−D=k−1k(1−34(k−1)k)である。なお、実際にこのような接線が存在する場合には右辺はa2≧0を満たす。
(2)
(1)の式でk→∞とすると k−1k→1,4(k−1)k→41 である。したがって k→∞lima2=1−341=1−341 である。
別解
解法2
方針
放物線で切り取られる部分の面積公式を使う。差が H−c(x−x0)2 の形なら、半幅 w=H/c で囲まれる面積は 4Hw/3 である。全体のレンズと接線下の部分にこの公式をそれぞれ適用し、面積比 1:2 から a2 を求める。
解答
次の面積公式を使う。H−c(x−x0)2≧0で切り取られる放物線部分は、半幅 w=H/c を用いて面積=34Hw.(1)これは x−x0=wu と置けばHw∫−11(1−u2)du=34Hwから得られる。
(1)
2放物線の差は1−(k−1)x2.(1)で H=1, w=1/k−1 とすれば、全体の面積はT=3k−14.点 P(a,a2+1) での接線はy=2ax−a2+1.この直線と y=kx2 の差を平方完成し、D=k−a2(k−1)と置くとkD−k(x−ka)2.従って H=D/k, w=D/k であり、接線より下にある部分の面積は3k24D3/2.これが T/2 に等しいから3k24D3/2=3k−12.よってD=k34(k−1)k.D=k−a2(k−1) へ戻してa2=k−1k(1−34(k−1)k).右辺が非負となるのは k≧4/3 であり、問題の接線が存在する場合はこの条件を満たす。
(2) k→∞lima2=1−341=1−341.
総評
放物線間の面積を接線で二等分する計算量の重い問題である。難度は高く、目安時間は30分前後。全体面積、接線、接線と下側放物線の差、平方完成、面積半分の方程式という順に書くと崩れにくい。特に接線は上側放物線の下にあるので、接線より下側の部分は「接線とy=kx2の間」であることを図で確認してから積分するとよい。D=k−a2(k−1)を置くと式が短くなり、3/2乗を解く場面でミスを減らせる。
冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1997年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。