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京都大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

単位円C:x2+y2=1上の点Pをとり,
定点A(2,0)からPへ線分を引き,
その線分のPの側の延長線上に点QAPPQ=3となるようにとる.
ただし,APは線分APの長さを表す.

(1) s=APt=OQとおいて,tsで表せ.ただし,O(0,0)は原点である.

(2)Pが円C上を動くとき,点Qの描く軌跡を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

図形と方程式 円の性質軌跡三角比の利用

方針

まず三角形AOPで余弦定理を使い、s=APからcosOAPを表す。次にPQ=3/sよりAQ=s+3/sであることを三角形AOQに入れると、sを含む項が消えてOQ=2が出る。軌跡では、Qが半径2の円上にあるだけでなく、直線AQが単位円と交わる方向に限られることを確認する。境界は点Aから単位円へ引いた2本の接線で決まり、対応するQを求めて円弧の範囲を決める。

解答

(1)
OAP=θ とおく。AO=2, OP=1, AP=s であるから、三角形AOPに余弦定理を用いて 12=22+s222scosθ すなわち cosθ=s2+34s を得る。

条件APPQ=3より PQ=3s である。QA,Pを結ぶ直線上でPの外側にあるので AQ=AP+PQ=s+3s である。t=OQとして、三角形AOQに余弦定理を用いるとt2=22+(s+3s)222(s+3s)cosθである。ここにcosθ=(s2+3)/(4s)を代入するとt2=4+(s+3s)24(s+3s)s2+34s=4+(s2+3)2s2(s2+3)2s2=4.したがってt>0より t=2 である。

(2)
(1)より、Qは円 x2+y2=4 上にある。

ただし、円x2+y2=4全体が軌跡になるわけではない。点Qから見れば、直線AQが単位円x2+y2=1と交わり、その交点のうちAから見てQ側にある点がPでなければならない。したがって、Aから単位円に引いた2本の接線が軌跡の境界になる。

接点を(u,v)とすると、接線は半径O(u,v)と直交するので (u,v)(2u,v)=0 である。u2+v2=1を用いると 2u1=0 すなわち u=12,v=±32 である。この接線と円x2+y2=4との、Aでない方の交点は (1,3),(1,3) である。

また、P=(1,0)のときはQ=(2,0)となり、右側の円弧が実際に通過される。よって求める軌跡は x2+y2=4,x1 で表される円弧である。端点(1,±3)も、接線の場合として含まれる。

別解

解法2

方針

P=(u,v) と置き、AP2=5+4u を使って点 Q の位置ベクトルを直接表す。内積を展開すると OQ2=4 が恒等的に得られる。軌跡の範囲は、点 A から単位円へ引く2接線の間にある方向として決め、逆にその円弧上の各点から P を復元できることも確認する。

解答

(1) P=(u,v),u2+v2=1と置く。このときs2=AP2=(u+2)2+v2=5+4u.条件 APPQ=3 より、QP から AP の向きへ長さ 3/s だけ進んだ点である。したがってOQ=OP+3s2AP.OPAP=1+2u だからOQ2=1+6(1+2u)5+4u+95+4u=4.よって t=OQ>0 からt=2.(2)
上の計算から Q は円x2+y2=4上にある。ただし、直線 AQ が単位円と交わる方向だけが許される。その境界は A から単位円への2本の接線である。

接点を T=(ξ,η) とするとξ2+η2=1,OTAT=0.したがってξ=12,η=±32.この2接線が半径2の円と再び交わる点は(1,3),(1,3)である。P=(1,0) では Q=(2,0) となるので、通るのは右側の円弧である。

逆にこの円弧上の Q を取れば、半直線 AQ は単位円と交わる。その A から遠い方の交点を P とすると、上の恒等式を逆にたどって APPQ=3 が成り立つ。ゆえに軌跡はx2+y2=4,x1であり、両端も含む。

総評

円外の点から単位円上の点へ線を伸ばす軌跡問題で、計算自体は標準だが、最後の範囲決定を落としやすい。目安時間は18分前後。(1)は余弦定理の代入で(s2+3)2/s2が消える構造をはっきり書くのが得点源である。(2)ではOQ=2から円全体と即断せず、直線AQが単位円と交わる方向だけを残す。接線の接点を求める、または点から円を見込む角で考える、という境界確認が答案の締めになる。

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出典: 京都大学 1997年度 前期 文系・理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。