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京都大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

直角三角形に半径rの円が内接していて,三角形の3辺の長さの和と円の直径との和が2となっている.
このとき以下の問に答えよ.

(1) この三角形の斜辺の長さをrで表せ.

(2) rの値が問題の条件を満たしながら変化するとき,この三角形の面積の最大値を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

図形と方程式関数 三角比の利用、範囲評価、微分による最大最小

方針

直角三角形の2直角辺を置き、内接円半径の公式と周長条件を合わせて、まず直角辺の和が一定であることを引き出す。斜辺はそこからただちに r で表せる。面積は内接円半径と半周長の積として r(1r) に直し、最後は直角辺の和が1で固定されたとき斜辺が最小になる場合、すなわち二等辺直角三角形の場合を調べて最大値を決める。

解答

(1)
直角三角形の直角をはさむ2辺の長さを a,b、斜辺の長さを c とする。内接円の半径を r、面積を T、半周長を p とすると T=rp である。一方、直角三角形なので T=ab/2、また c2=a2+b2 である。したがって r=Tp=ab/2(a+b+c)/2=aba+b+c である。ここで (a+bc)(a+b+c)=(a+b)2c2=2ab だから a+bc2=aba+b+c=r である。

問題の条件は、3辺の長さの和と直径 2r の和が 2 であること、すなわち a+b+c+2r=2 である。いま 2r=a+bc だから a+b+c+a+bc=2 となり、a+b=1 を得る。よって 2r=a+bc=1c であるから、斜辺の長さは c=12r である。

(2)
半周長は p=a+b+c2=1+c2 である。(1)より c=12r なので p=1+12r2=1r である。したがって面積は T=rp=r(1r) である。

あとは r の取り得る範囲を調べる。a+b=1 のもとで c2=a2+b2=(a+b)22ab=12ab である。また ab(a+b2)2=14 だから c21214=12 である。等号は a=b=1/2 のときに成り立つ。よって c12 であり、r=1c211/22 である。

ここで 0<r<1/2 の範囲では r(1r) は増加する。実際、0<r1<r2<1/2 なら r2(1r2)r1(1r1)=(r2r1)(1r1r2)>0 である。したがって面積の最大は r=11/22 のときにとる。このときTmax=11/221+1/22=11/24=18である。

別解

解法2

方針

周長条件と直角三角形の内接円公式から直角辺の和を1に固定する。面積は ab/2 として相加相乗で直接最大化し、等号時に元の条件を満たすことまで戻って確認する。

解答

(1)
直角辺を a,b、斜辺を c とする。直角三角形の内接円半径はr=a+bc2である。問題の条件へ代入するとa+b+c+2r=a+b+c+a+bc=2(a+b)=2.従ってa+b=1,c=a+b2r=12r.(2)
三角形の面積を T とするとT=ab2.a,b>0a+b=1 だからab(a+b2)2=14.よってT18.等号は a=b=1/2 のときに成り立つ。このときc=12,r=11/22>0であり、周長と直径の和も2になる。従って最大値は18である。

総評

内接円半径、周長、直角三角形の面積が一つにつながる問題で、想定時間は15分程度。最初の山は r=(a+bc)/2 を正しく使い、条件から a+b=1 を出すところである。最大化では r(1r) だけを見て範囲確認を落とすと不十分なので、直角辺の和が固定されたとき斜辺が最小になる条件を明記したい。二等辺直角三角形で等号が成立するため、最大値が実際に達成されることまで確認できる。

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出典: 京都大学 1998年度 前期 文系・理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。