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京都大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

面積1の3角形ABCにおいて,辺AB上に1点Pをとり,Pを通り辺BCに平行な直線と辺ACの交点をQとする.
さらに線分PQの中点に関してAと対称な点をRとする.
Pが辺AB上を動くとき,ABCPQRの共通部分の面積Sの最大値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

図形と方程式関数 面積計算、場合分け、微分による最大最小

方針

面積比と平行性はアフィン変換で保たれるので、ABCを扱いやすい面積1の三角形A=(0,1),B=(1,0),C=(1,0)に移してよい。λ=AP/ABとおくと、P,Q,Rの座標がすべてλで表せる。Rが辺BCの上側にある0λ1/2ではPQR全体が共通部分になる。λ>1/2ではRが下に出るので、辺PR,QRBCの交点を求め、共通部分を台形として面積を出す。最後に2つの範囲で最大値を比較する。

解答

面積比、平行性、中点、点対称はアフィン変換で保たれる。したがって、面積が1である三角形 A=(0,1),B=(1,0),C=(1,0) で考えてよい。 λ=APAB(0λ1) とおく。点Pは辺AB上をAからBλだけ進んだ点なので P=(λ,1λ) である。PQBCよりPQは水平で、Qは辺AC上にあるから Q=(λ,1λ) である。線分PQの中点は(0,1λ)である。これに関してA=(0,1)と対称な点がRなので R=(0,12λ) である。

まず 0λ12 のときを考える。このときRBC上またはその上側にあり、P,Q,RはいずれもABC内にある。したがって共通部分はPQR全体である。PQ=2λRからPQまでの高さはλだから S=122λλ=λ2 である。

次に 12<λ1 のときを考える。このときRは辺BCの下側にある。直線PRP=(λ,1λ)R=(0,12λ)を通るので傾きは1であり、方程式は y=x+12λ である。よってBC, すなわちy=0との交点は (12λ,0) である。同様に直線QRy=x+12λ であり、BCとの交点は (2λ1,0) である。

したがって共通部分は、上底PQの長さが2λ、下底の長さが (2λ1)(12λ)=4λ2 高さが1λの台形である。ゆえに S=2λ+(4λ2)2(1λ)=(3λ1)(1λ) である。

以上よりS={λ2(0λ12),(3λ1)(1λ)(12<λ1)である。前半ではS=λ2が増加するので最大値は 14 である。後半では(3λ1)(1λ)=3λ2+4λ1=3(λ23)2+13であるから、λ=2/3で最大値 13 をとる。1/3>1/4なので、求める最大値は 13 である。

別解

解法2

方針

座標を置かず、λ=AP/AB として相似比と高さの比だけで面積を表す。R が辺 BC の上側にある場合は三角形、下側に出る場合は台形となる。平行線に沿う長さと高さをすべて BC と元の高さの倍数で表し、元の面積が1であることを最後に使う。

解答

三角形 ABCBC に対する高さを HBC の長さを c とする。面積が1だから12cH=1.(1)λ=APAB(0λ1)と置く。PQBC より相似比からPQ=λc.また PQBC から高さ (1λ)H の位置にある。PQ の中点に関して A を移した点が R なので、RBC からの符号付き高さは(12λ)Hである。0λ1/2 のとき、PQR 全体が ABC に含まれる。底辺 PQ=λc、高さは λH だからS=12(λc)(λH)=λ2.1/2<λ1 のとき、RBC の下側にある。相似関係から、辺 PR,QRBC 上に切り取る下底の長さは(2λ1)cである。従って共通部分は、高さ (1λ)H、2本の平行な辺が λc,(2λ1)c の台形である。(1)を使うとS=λc+(2λ1)c2(1λ)H=(3λ1)(1λ).よってS={λ2(0λ1/2),(3λ1)(1λ)(1/2<λ1).前半の最大値は 1/4。後半は(3λ1)(1λ)=3(λ23)2+13だから最大値は13.

総評

図形をそのまま追うより、面積1の標準三角形に移して座標化すると見通しがよい問題である。難度は高め、目安時間は25分前後。採点上は、アフィン変換で面積比が保たれること、Rの位置がλ=1/2を境に変わること、λ>1/2で共通部分が三角形ではなく台形になることが重要である。最大化は平方完成で短く済むが、面積式の取り違えが起きやすいので、上底・下底・高さを明記すると安定する。

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出典: 京都大学 1997年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。