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京都大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第1問

三角形ABCと点Pに対して,次の2つの条件は同値であることを証明せよ.

(i) 点Pは三角形ABCの内部(周は除く)にある

(ii) 正の数abcがあって,
aPA+bPB+cPC=0が成り立つ

難易度4/ 10計算量2/ 10目安12

ベクトル論証・証明 必要十分条件、面積比、ベクトル成分計算

方針

(i)から(ii)には、点 P が作る3小三角形の面積を係数に用いる。逆向きではベクトル式を変形して、P が3頂点の正の係数による加重平均であることを示す。係数がすべて正であることが、辺上を除く内部であることに対応する。

解答

(i)(ii) P が内部にあるとする。SA=[PBC],SB=[PCA],SC=[PAB] とおくと、これらはすべて正である。三角形の面積比による重心座標の公式からP=SAA+SBB+SCCSA+SB+SC.したがってSA(AP)+SB(BP)+SC(CP)=0.よって a=SA,b=SB,c=SC とすれば(ii)を満たす。

(ii)(i) (ii)が成り立つとする。式を整理するとP=aA+bB+cCa+b+c.ここでλ=aa+b+c,μ=ba+b+c,ν=ca+b+cとおけば、λ,μ,ν>0, λ+μ+ν=1 である。たとえばP=λA+(1λ)μB+νCμ+νと書ける。後半の点は辺 BC の端点以外にあり、さらに 0<λ<1 だから、P はその点と頂点 A を結ぶ線分の端点以外にある。ゆえに P は三角形の周上ではなく内部にある。以上より2条件は同値である。

別解

解法2(辺との交点から係数を作る)

方針

内部点から頂点へ引いた直線と対辺の交点を使い、2回の内分表示で正の係数を構成する。逆向きは正の係数による加重平均から辺上を除外する。

解答

(i)(ii)
P が三角形 ABC の内部にあるとする。直線 AP と辺 BC の交点を D とする。ある 0<t<1 によりP=(1t)A+tDと書ける。また D は辺 BC の内部にあるので、ある 0<u<1 によりD=(1u)B+uCである。したがってP=(1t)A+t(1u)B+tuC.3係数はすべて正で和が1だから(1t)PA+t(1u)PB+tuPC=0.よって(ii)が成り立つ。

(ii)(i)
正の a,b,c に対してaPA+bPB+cPC=0ならP=aA+bB+cCa+b+c.ここで3係数は正で和が1である。例えば A の係数を固定すると、残り2頂点の正の加重平均は辺 BC の内部点であり、P はその点と A を結ぶ線分の内部にある。したがって P は三角形の内部にあり、周上にはない。

総評

難度4、計算量2。想定時間は12分程度の証明問題である。面積を係数にする向きと、正の重心座標を内部点と読む逆向きを分けて書けば安定する。「係数の和が1」だけで済ませず、全係数が正なので辺上を除外できることまで明記したい。

第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を再確認する。図は式変形の役割と条件の使いどころを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2003年度 後期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。