方針
(1) は求める和を S として zS−S を計算し、1+z+⋯+zn−1=0 を使う。(2)では z=e40∘i を9乗根として(1)を適用し、虚部を取る。
解答
(1) S=1+2z+3z2+⋯+nzn−1とおく。zn=1,z=1 より1+z+⋯+zn−1=0.また(z−1)S=nzn−(1+z+⋯+zn−1)=n.したがってS=z−1n.よって選択肢は(エ)である。
(2) z=e40∘i とおくと、z9=1,z=1 である。(1)を n=9 に適用して1+2z+3z2+⋯+9z8=z−19.左辺の虚部は問題の左辺である。一方、ϕ=40∘ とすればeiϕ−11=−21−2icot2ϕ.したがって両辺の虚部を取ると2sin40∘+3sin80∘+⋯+9sin320∘=−29cot20∘=−2tan20∘9.
別解
解法2(等比数列を微分する)
方針
有限等比和を微分して係数付き和を得る。(2)では z−1 の逆数を共役で有理化し、虚部を直接読む。
解答
(1) F(z)=z+z2+⋯+zn=1−zz(1−zn)とおく。求める和は F′(z) である。zn=1, z=1 を代入すると、商の微分からF′(z)=(1−z)2(1−(n+1)zn)(1−z)+z(1−zn)=(1−z)2−n(1−z)=z−1n.よって選択肢は(エ)である。
(2) z=cos40∘+isin40∘ とおく。(1)より1+2z+⋯+9z8=z−19.右辺を共役で有理化するとz−11=2−2cos40∘cos40∘−1−isin40∘=−21−2tan20∘i.両辺の虚部を比較して2sin40∘+3sin80∘+⋯+9sin320∘=−2tan20∘9を得る。
総評
難度5、計算量5。想定時間は18分程度。(1)を微分で処理すると添字がずれやすいので、zS−S が安全である。(2)では係数2から9が、9乗根に対する(1)の虚部と完全に一致することを見抜く。逆数の虚部の符号を最後に確認したい。
第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を再確認する。図は式変形の役割と条件の使いどころを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。
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出典: 京都大学 2003年度 後期 文系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。