方針
相似の対応から、原点を基準にした二つの辺の複素数比を等置して zn+1=2zn/(1+zn) を得る。逆数 wn=1/zn を取ると一次漸化式になり、∣zn∣ の最大化は離散値 21−n に対する二次式の最小化へ変わる。
解答
Mn を表す複素数は (1+zn)/2 である。相似の対応と偏角の減少する向きから(1+zn)/2zn=1zn+1,zn+1=1+zn2zn.wn=1/zn とおくとwn+1=2wn+1,w1=−3i.したがってwn=1−2n−11+3i,zn=1−21−n(1+3i)1.t=21−n とおけば∣zn∣−2=(1−t)2+3t2=1−2t+4t2=4(t−41)2+43.許される t=1,1/2,1/4,… の中に 1/4 があり、これは n=3 に対応する。よってnmax∣zn∣=3/41=32.
別解
解法2
方針
分数一次変換の固定点 0,1 を使い、
yn=zn/(1−zn) と共役変換する。この量は毎回2倍になるので明示式が得られる。
∣zn∣ の逆数の2乗を 2 の整数べきに関する平方完成へ直し、
離散的な候補から最小値を選ぶ。
解答
相似条件からzn+1=1+zn2zn.ここでyn=1−znznとおくと、直接計算により yn+1=2yn である。初期値はy1=1−i/3i/3=4−1+i3.したがって t=2n−3 とおけばyn=t(−1+i3),zn=1+ynyn.よって∣zn∣2=(1−t)2+3t24t2.u=1/(2t)=22−n とおくと∣zn∣−2=1−u+u2=(u−21)2+43.候補 u=2,1,1/2,1/4,… の中に 1/2 があり、
n=3 に対応する。したがってn≧1max∣zn∣=32.
総評
難度は10段階中7、計算量は6。目安時間は20分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。
相似の頂点対応と偏角条件から分数一次漸化式の向きを確定する。平方完成の連続最小値だけで終えず、候補が2の整数べきであり n=3 が実現することを書く。
採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。
冊子PDFで見る京大の複素数平面の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2002年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。