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京都大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第6問

n を自然数とする。xy 平面内の、原点を中心とする半径 n の円の、内部と周を合わせたものを Cn で表す。次の条件(*)を満たす1辺の長さが1の正方形の数を N(n) とする。

(*) 正方形の4頂点はすべて Cn に含まれ、4頂点の x および y 座標はすべて整数である。

このとき、limnN(n)n2=πを証明せよ。

難易度7/ 10計算量3/ 10目安15

図形と方程式関数 不等式評価図形的解釈、はさみうち

方針

整数座標を頂点にもつ1辺1の正方形は、隣り合う頂点の差が整数成分で長さ1のベクトルになるため、格子に平行な単位正方形に限られる。条件を満たす単位正方形の合併面積は N(n) である。各正方形は円板 Cn に含まれるので上から πn2 で押さえられる。下からは、半径 n2 の円板内の任意の点を含む格子単位正方形を考えると、その正方形の頂点はその点から高々 2 しか離れないため Cn に入る。この2つの円板面積で挟む。

解答

まず、条件(*)を満たす正方形の向きを確認する。4頂点の座標がすべて整数で、1辺の長さが1であるとき、隣り合う2頂点の差は整数成分をもつ長さ1のベクトルである。そのようなベクトルは (±1,0),(0,±1) に限られる。したがって、数える正方形は格子に平行な1辺1の単位正方形である。

条件(*)を満たす正方形をすべて集め、その合併を Sn とする。異なる格子単位正方形は内部が重ならず、各正方形の面積は1であるから、Sn の面積=N(n) である。

まず上から評価する。条件(*)を満たす正方形は、4頂点がすべて Cn に含まれる。円板 Cn では、任意の2点を結ぶ線分も Cn に含まれるので、4頂点が Cn に入っていれば正方形全体も Cn に含まれる。したがって SnCn であり、N(n)πn2 である。

次に n2 として下から評価する。原点からの距離が n2 以下の点 P を任意に取る。この点 P を含む格子単位正方形を1つ選ぶ。単位正方形の中の任意の点から任意の頂点までの距離は、高々対角線の長さ 2 である。したがって、その正方形の任意の頂点 T について OTOP+PT(n2)+2=n である。よってその正方形の4頂点はすべて Cn に含まれ、その正方形は条件(*)を満たす。

したがって、半径 n2 の円板は Sn に含まれる。よって π(n2)2N(n) である。

以上より π(n2)2N(n)πn2 である。n2 で割ると π(12n)2N(n)n2π となる。両端は n でともに π に近づくので、はさみうちにより limnN(n)n2=π である。

総評

難度7、計算量3。目安時間は18〜25分。整数格子上の1辺1の正方形が座標軸に平行であることを確認し、その合併面積を π(n2)2πn2 で挟む。下側では n2 とし、点から単位正方形の頂点までの距離が高々 2 であることを明記すれば、境界誤差を厳密に処理できる。

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出典: 京都大学 2004年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。