方針
交点の個数は、直線と放物線を連立して得られる2次方程式の判別式で調べる。面積は2根の差で表し、線分の長さも同じ2根の差で表すと、比 L3S では根の差が消える。最後に k の許される範囲と端点を確認する。
解答
(1)
直線と放物線の交点の x 座標は x2+x=kx+k−1 すなわち x2+(1−k)x−(k−1)=0 の解である。この2次方程式の判別式を D とするとD=(1−k)2+4(k−1)=k2+2k−3=(k−1)(k+3).相異なる2点で交わるための条件は D>0 であるから、k<−3またはk>1 である。
(2)
次に、この条件のもとで2つの交点の x 座標を α<β とおく。区間 [α,β] では直線が放物線の上にあるので、囲まれる面積 S はS=∫αβ{kx+k−1−(x2+x)}dxである。ここで2次方程式の根が α,β であることから kx+k−1−(x2+x)=−(x−α)(x−β)=(x−α)(β−x). よってS=∫αβ(x−α)(β−x)dx=∫0β−αt{(β−α)−t}dt=6(β−α)3.一方、交点を結ぶ線分は直線 y=kx+k−1 上にあるので、x 座標の差を β−α とすると、y 座標の差は k(β−α) である。したがって L=(β−α)1+k2. 従ってL3S=(β−α)3(1+k2)236(β−α)3=6(1+k2)231.ここで k<−3 または k>1 である。関数 6(1+k2)231 は ∣k∣ が小さいほど大きいので、許される範囲では k→1+0 のとき最大値に近づく。ただし k=1 は交点が2点でないため含まれない。よって値域は 0<L3S<1221. 下限 0 は ∣k∣→∞ で近づくだけで、これも実際には取らない。
別解
解法2(判別式だけで根の差を表す)
方針
交点方程式の判別式 D は2根の差の2乗でもある。面積と弦長をともに D で表し、比を直接整理する。
解答
(1)
交点の x 座標はx2+(1−k)x−(k−1)=0の2根である。判別式はD=(1−k)2+4(k−1)=(k−1)(k+3)だから、相異なる2交点をもつ条件はk<−3またはk>1である。
(2)
2根を α<β とすると、2次方程式は最高次係数が1なのでβ−α=D.直線と放物線の差は(x−α)(β−x)であるからS=∫αβ(x−α)(β−x)dx=6(β−α)3=6D23.また直線の傾きは k なのでL=1+k2(β−α)=D(1+k2).したがってL3S=6(1+k2)231.許される k のうち絶対値が最も小さくなる境界は k=1 であるが、k=1 自体は含まれない。また ∣k∣→∞ で値は0へ近づく。よって値域は0<L3S<1221である。
総評
難度6、計算量5。目安時間は14〜18分。採点ポイントは、判別式で2交点の条件を出すこと、囲まれる面積を 6(β−α)3 と表すこと、線分長 L=(β−α)1+k2 との比で根の差が消えることです。
誤りやすいのは、k=1 を値域の最大値として含めてしまうことです。k=1 では接するだけで相異なる2点ではないため、1221 は上限であって最大値ではありません。答案は、交点条件、面積・長さの一般式、値域の端点確認を分けて書くと、端点の抜けを防げます。
第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を再確認する。図は式変形の役割と条件の使いどころを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。
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出典: 京都大学 2003年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。