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京都大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

Q(x)を2次式とする.
整式P(x)Q(x)では割り切れないが,{P(x)}2Q(x)で割り切れるという.
このとき2次方程式Q(x)=0は重解を持つことを示せ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

数と式論証・証明 背理法、恒等式比較

方針

PQ で割った余りに注目する。P=AQ+R とおくと,PQ で割り切れないことは余り R が0でないことを意味する。また P2Q で割った余りは R2 と同じである。したがって2次式 Q が0でない1次以下の式の平方を割り切ることになり,結局 Q は1次式の平方の定数倍でなければならない。そこから重解を持つことを示す。

解答

整式 P(x) を2次式 Q(x) で割ると P(x)=A(x)Q(x)+R(x) と書ける。ただし余り R(x)0 であるか,または1次以下の整式である。いま P(x)Q(x) で割り切れないので,R(x)0 である。

この式を平方すると P(x)2=A(x)2Q(x)2+2A(x)Q(x)R(x)+R(x)2 である。右辺の初めの2項は Q(x) で割り切れるので,P(x)2Q(x) で割った余りは,R(x)2Q(x) で割った余りと同じである。ところが仮定より P(x)2Q(x) で割り切れるから,Q(x)R(x)2 を割り切る。

ここで R(x) が0でない定数なら R(x)2 も0でない定数であり,2次式 Q(x) で割り切れることはありえない。したがって R(x) は1次式である。R(x)=ax+b a0 と書くと,R(x)2Q(x) はどちらも2次式で,Q(x)R(x)2 を割り切るので,ある0でない定数 c によって R(x)2=cQ(x) と書ける。つまり Q(x)=1c(ax+b)2 である。したがって2次方程式 Q(x)=0ax+b=0 を2重に持つ。ゆえに Q(x)=0 は重解を持つ。

別解

解法2

方針

2次方程式 Q(x)=0 が異なる2根をもつと仮定し,QP2 から2根がとも P の根になることを示す。すると2次式 QP を割り切り,仮定に反する。

解答

Q(x)=0 が異なる2つの根 α,β をもつと仮定する。根は複素数まで含めて考えてよい。QP2 を割り切るからP(α)2=0,P(β)2=0であり,P(α)=P(β)=0を得る。したがって因数定理より P(x)xαxβ の両方を因数にもつ。

αβ なので2つの1次因子は互いに素であり,Q(x) は0でない定数 q を用いてQ(x)=q(xα)(xβ)と書ける。ゆえに Q(x)P(x) を割り切る。これは「P(x)Q(x) では割り切れない」という仮定に反する。

したがって Q(x)=0 は異なる2根をもたず,2次方程式であるから重解をもつ。

総評

根で考える解法も自然だが,余り R を使うと実数解・複素数解を意識せずに処理できる。目安は15分程度。重要なのは,P2 の余りが R2 になることと,2次式が1次式の平方を割るなら定数倍で一致することの2点である。証明問題なので「余りが0でない」理由を P が割り切れない仮定と結びつけて書くとよい。

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出典: 京都大学 2006年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。