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京都大学 2002年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

f(x)xn の係数が1である xn 次式である.
相異なる n 個の有理数 q1,q2,,qn に対して
f(q1),f(q2),,f(qn) がすべて有理数であれば,
f(x) の係数はすべて有理数であることを,数学的帰納法を用いて示せ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安14

数と式論証・証明 数学的帰納法、展開・因数分解、文字消去

方針

一つの評価点 qn を使って差 f(x)f(qn)xqn で割る。商は最高次係数1の n1 次式で、残りの n1 個の有理点で有理値を取るため、帰納法の仮定を適用できる。

解答

n=1 のとき f(x)=x+c と書け、c=f(q1)q1 は有理数なので主張は成り立つ。

n1 次まで主張が成り立つと仮定する。f(x)f(qn)xqn で割り切れるのでg(x)=f(x)f(qn)xqnとおく。g は最高次係数1の n1 次多項式である。また i=1,,n1 に対してg(qi)=f(qi)f(qn)qiqnは有理数である。q1,,qn1 は相異なるので、帰納法の仮定から g(x) の全係数は有理数である。

最後にf(x)=(xqn)g(x)+f(qn)であり、qn,f(qn) も有理数だから、f(x) の全係数は有理数である。よって数学的帰納法によりすべての n で示された。

別解

解法2

方針

有理数の補間基底を明示する直接確認である。相異なる有理点から作る各基底多項式は
有理係数をもち、その有理線形結合も有理係数になる。
n 点で同じ値をとる次数 n1 以下の多項式は一意なので、
f(x)xn をその補間多項式として同定する。

解答

h(x)=f(x)xnとおくと、h は次数 n1 以下であり、h(qi)=f(qi)qinQ(i=1,,n).i についてLi(x)=(xq1)(xqi1)(xqi+1)(xqn)(qiq1)(qiqi1)(qiqi+1)(qiqn)とおく。分母は0でなく、すべての qj が有理数なので
Li(x) は有理係数多項式である。また Li(qj)
i=j のとき1、そうでないとき0である。

したがって次数 n1 以下の多項式H(x)=h(q1)L1(x)++h(qn)Ln(x)は有理係数をもち、すべての qiH(qi)=h(qi) となる。
Hh は次数 n1 以下で相異なる n 個の根をもつから恒等的に0である。
よって h=H は有理係数であり、f(x)=xn+h(x) の全係数も有理数である。

総評

難度は10段階中5、計算量は3。目安時間は14分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

帰納法では商が最高次係数1の n1 次式になることと、残りの有理点で有理値を取ることを示す。補間解法は一意性まで書けば係数の有理性を直接検算できる。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

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出典: 京都大学 2002年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。