Evolton

京都大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系(乙)数学 第3問

空間の1点Oを通る4直線で、どの3直線も同一平面上にないようなものを考える。このとき、4直線のいずれともO以外の点で交わる平面で、4つの交点が平行四辺形の頂点になるようなものが存在することを示せ。

難易度7/ 10計算量3/ 10目安20

ベクトル論証・証明 ベクトル成分計算、存在証明、図形的解釈

方針

4直線の方向ベクトルを u1,u2,u3,u4 とする。空間の4ベクトルには1次関係があり、どの3本も同一平面上にないため、その関係の4係数は全て0でない。この関係を「向かい合う2頂点の位置ベクトルの和が等しい」という平行四辺形の条件に読み替える。

解答

各直線の方向ベクトルをそれぞれ u1,u2,u3,u4 とする。どの3直線も同一平面上にないので、これらから任意に選んだ3ベクトルは1次独立である。

一方、空間の4ベクトルは1次従属であるから、全てが0ではない実数 c1,c2,c3,c4 が存在してc1u1+c2u2+c3u3+c4u4=0となる。ここで各 ci は0でない。実際、例えば c1=0 なら残りの3ベクトルが1次従属となり、先の条件に反する。他の係数についても同様である。

4直線上に点 A,B,C,DOA=c1u1,OB=c2u2,OC=c4u4,OD=c3u3によって定める。各係数は0でないから、これらは全て O とは異なる点である。また上の1次関係からOA+OC=OB+ODを得る。したがって線分 ACBD の中点は一致し、4点 A,B,C,D はこの順に平行四辺形の頂点となる。

さらに、上式から OD=OA+OCOB なので、DA,B,C を通る平面上にある。この平面が O を通るとすると、3ベクトル OA,OB,OC が同一平面内にあり、u1,u2,u4 の1次独立性に反する。よってこの平面は O を通らず、各直線との交点はちょうど A,B,C,D である。

以上により、条件を満たす平面が存在する。

4直線との交点を、対角線の中点が一致するように選ぶ。

総評

難度7、計算量3。想定時間は20分程度。図を直接動かすより、空間の4ベクトルが必ず1次従属になることを使うと構成が明確になる。どの3直線も同一平面上にないという仮定は、1次関係の係数が全て0でないことと、構成した平面が原点を通らないことの2か所で必要である。

冊子PDFで見る京大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2008年度 前期 数学(理系乙)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。