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京都大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

n角形とその外接円を合わせた図形をFとする.
F上の点Pに対して,始点と終点がともにPであるような,図形Fの一筆がきの経路の数をN(P)で表す.
n角形の頂点をひとつとってAとし,a=N(A)とおく.
また正n角形の辺をひとつとってその中点をBとし,b=N(B)とおく.
このときabを求めよ.

注: 一筆がきとは,図形を,かき始めから終わりまで,筆を紙からはなさず,また同じ線上を通らずにかくことである.

難易度8/ 10計算量5/ 10目安25

場合の数 数え上げ、場合分け、図形的解釈

方針

頂点を A1=A,A2,,An とする。隣り合う2頂点の間には、正 n 角形の辺と外接円の弧の2本がある。頂点 A からの経路は、最初の進行方向、各区間で最初に使う線、折り返し位置の3段階で数える。辺の中点 B を始点にする場合は、頂点始点の経路のちょうど半分と対応する。

解答

n 角形の頂点を、A1=A から順にA1,A2,,Anとする。隣り合う2頂点の間には、正 n 角形の辺と外接円の弧の2本がある。

まず a=N(A) を求める。A を出発するとき、頂点をたどる向きは時計回り・反時計回りの2通りである。向きを一つ固定する。

i について、AiAi+1 の間を最初に通るとき、正 n 角形の辺と円弧のどちらを使うかは2通りである。ただし添字は n の次を1とする。したがって、各区間で最初に使う線の選び方は2n通りである。各区間を2回目に通る線は、最初に使わなかった方へ一意に決まる。

この選択を固定した経路には、次の n+1 通りがある。(i)折り返さず、同じ向きに2周する;(ii)A1,A2,,An のいずれか1頂点で折り返す.実際、未使用の線へ移る位置を決めれば、その後は全ての未使用線を重複なく通って A へ戻る順序が一意に決まる。逆に一筆書きでは、2回目の通過へ移る位置は「なし」または1頂点に限られるから、これで重複も漏れもない。

したがって、最初の向き2通りも掛けるとa=22n(n+1)=2n+1(n+1)である。

次に、辺 A1An の中点を B とする。上で数えた A1 始点の経路のうち、A1An の正 n 角形の辺を最初の周回で使うものはちょうど半数である。各区間の「辺・円弧」の選択を入れ替える対応によって、半数であることが分かる。

そのような閉じた経路を B で切って始点と終点を B に移すと、B 始点の一筆書きが一意に得られる。逆に B 始点の一筆書きを B でつなぎ、始点を A1 へ移せば元の経路へ戻る。よってb=a2=2n(n+1)である。

以上よりa=2n+1(n+1),b=2n(n+1)を得る。

隣接頂点間ごとに「辺」と「円弧」の2本がある。

総評

図形を、隣接頂点間に2本ずつ線を持つグラフとして捉える難問である。想定時間は25分以上、難易度は8、計算量は5程度。進行方向2通り、各区間で先に使う線の選択 2n 通り、折り返し位置 n+1 通りを独立に数えると a が得られる。B 始点は単に最初の線が2通りという説明だけでは不十分で、A 始点の経路の半数との全単射を示す必要がある。

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出典: 京都大学 2008年度 前期 数学(文系学部)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。