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京都大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

次の命題(p),(q)のそれぞれについて,正しいかどうか答えよ.
正しければ証明し,正しくなければ反例を挙げて正しくないことを説明せよ.

(p) 正n角形の頂点から3点を選んで内角の1つが60である
三角形を作ることができるならば,nは3の倍数である.

(q) ABCABDにおいて,
AC<ADかつBC<BDならば,C>Dである.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安18

論証・証明図形と方程式 円の性質、反例構成、三角比の利用

方針

(p)は文系第4問と同じく円周角と中心角の関係で示す。(q)は2点 A,B からの距離がともに大きい点の方が、必ずしも線分 AB を小さい角で見るとは限らないことを、具体的な三角形で反例にする。AB を1に固定し、CDAC<ADBC<BD を満たしつつ、余弦定理で C<D となるように選ぶ。

解答

(p) 正しい。

n 角形の頂点は同一円周上にある。隣り合う頂点に対応する中心角は 360n である。

選んだ3点でできる三角形の内角の1つが 60 であるとする。この角が見込む弧の中心角は、円周角の定理より 120 である。その弧は正 n 角形の頂点間隔を整数個集めたものなので、ある整数 k について 120=k360n である。よって n=3k となり、n は3の倍数である。

(q) 正しくない。

反例を挙げる。AB=1 とし、三角形 ABCAC=5,BC=112 を満たすようにする。また三角形 ABDAD=6,BD=6 を満たすようにする。いずれも三角不等式を満たすので、このような三角形は存在する。

このとき AC=5<6=AD,BC=112<6=BD であり、命題の仮定は満たされている。

一方、余弦定理より、C=ACB についてcosC=AC2+BC2AB22ACBC=25+1214125112=217220である。また、D=ADB についてcosD=AD2+BD2AB22ADBD=36+36172=7172である。

ここで 217220>7172 である。三角形の内角は 0 から 180 の間にあり、この範囲では余弦が大きいほど角は小さい。したがって C<D である。

よって、仮定 AC<ADBC<BD を満たしても C>D とは限らない。命題(q)は正しくない。

総評

難度5、目安時間18分。(p)は円周角の定理を正 n 角形の等間隔性と結びつけるだけでよい。(q)は直感に反する反例を数値で示す問題で、距離が2本とも長いからといって見込む角が小さくなるとは限らない。反例では三角形の存在、仮定 AC<AD,BC<BD、結論の否定 C<D をそれぞれ確認することが重要である。
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出典: 京都大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。