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京都大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

(1) 23が無理数であることを証明せよ.

(2) P(x)は有理数を係数とするxの多項式で,
P(23)=0を満たしているとする.
このときP(x)x32で割り切れることを証明せよ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

数と式整数論証・証明 背理法、素因数分解、恒等式比較

方針

(1)23 を既約分数と仮定し、3乗して2の素因数の指数を比較する背理法で示す。(2)は P(x)x32 で割った余り ax2+bx+c を考える。α=23 を代入すると余りも0になるので、aα2+bα+c=0 を得る。a=0 の場合は(1)に反し、a0 の場合は式に α を掛けたものと元の式から α が有理数になるか、または (b/a)3=2 となって(1)に反する。したがって余りは0である。

解答

(1) 23 が有理数であると仮定する。すると、互いに素な正の整数 p,q を用いて 23=pq と書ける。両辺を3乗すると 2=p3q3 であるから p3=2q3 である。よって p3 は2で割り切れるので、p も2で割り切れる。p=2r とおくと 8r3=2q3 より q3=4r3 である。したがって q3 も2で割り切れ、q も2で割り切れる。

これは p,q が互いに素であることに反する。よって 23 は無理数である である。

(2) α=23 とおく。P(x)x32 で割った商を Q(x)、余りを R(x) とすると P(x)=(x32)Q(x)+R(x) である。余りは高々2次なので、有理数 a,b,c を用いて R(x)=ax2+bx+c と書ける。 P(α)=0 であり、α32=0 であるから R(α)=0 である。すなわち aα2+bα+c=0 である。

まず a=0 の場合を考える。このとき bα+c=0 である。もし b0 なら α=cb となり α が有理数になるので、(1)に反する。したがって b=0 でなければならず、さらに c=0 である。

次に a0 と仮定する。式 aα2+bα+c=0α を掛けると、α3=2 より bα2+cα+2a=0 を得る。元の式とこの式から α2 を消去する。具体的には、元の式に b を掛け、後の式に a を掛けて引くと (b2ac)α+(bc2a2)=0 である。

もし b2ac0 なら α=bc2a2b2ac となり α が有理数になる。これは(1)に反する。よって b2ac=0,bc2a2=0 でなければならない。

この2式から ac=b2,bc=2a2 である。第1式に b を掛けると abc=b3 であり、第2式に a を掛けると abc=2a3 である。したがって b3=2a3 となる。a0 だから (ba)3=2 である。ところが b/a は有理数なので、これは 23 が有理数であることを意味し、(1)に反する。

したがって a0 はありえない。結局 a=b=c=0 であり、余り R(x) は0である。よって P(x) は x32 で割り切れる である。

総評

難度6、目安時間20分。前半の無理数証明は基本だが、後半ではそれを余りの消去に使う。P(x)x32 で割った余りを2次以下にして、aα2+bα+c=0 から矛盾を作る流れが核心である。a=0 の線形の場合と a0 の場合を分け、後者では α2 を消去して α が有理数になる可能性を先に潰すと、論理が整理される。
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出典: 京都大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。