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京都大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

2つの関数をf0(x)=x2,f1(x)=x+12とおく.x0=12から始め,各n=1,2,について,
それぞれ確率12xn=f0(xn1)またはxn=f1(xn1)と定める.
このとき,xn<23となる確率Pnを求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安21

確率数列 数え上げ、帰納的定義の利用、剰余分類

方針

f0f1 は、x を半分にして左端または右端の半区間へ写す操作である。n 回後の値は、j=0,1,,2n1 に対して (j+1/2)/2n の形で等確率に並ぶことを帰納的に示す。あとは (j+1/2)/2n<2/3 を満たす整数 j の個数を数える。2n+1 の3で割った余りが n の偶奇で変わるため、最後に1つの式へまとめる。

解答

まず、xn の取り得る値を調べる。n=0 では x0=12=0+1220 である。n 回後に xn=j+122n(j=0,1,,2n1) の形の値をそれぞれ等確率で取るとする。このとき f0(xn)=xn2=j+122n+1 であり、f1(xn)=xn+12=j+2n+122n+1 である。したがって n+1 回後には k+122n+1(k=0,1,,2n+11)2n+1 個の値を等確率で取る。よって帰納法により、n 回後の値は j+122n(j=0,1,,2n1)2n 個であり、すべて等確率である。

したがって xn<2/3 となる確率は、j+122n<23 を満たす整数 j の個数を 2n で割ればよい。この不等式は j+12<2n+13 である。

n が奇数のとき、n+1 は偶数なので 2n+11(mod3) である。よって 2n+13=2n+113+13 であり、条件は j<2n+11316 となる。したがって条件を満たす j の個数は 2n+113 である。

n が偶数のとき、n+1 は奇数なので 2n+12(mod3) である。よって 2n+13=2n+123+23 であり、条件は j<2n+123+16 となる。したがって条件を満たす j の個数は 2n+1+13 である。

以上よりPn={2n+1132n(n が奇数),2n+1+132n(n が偶数)である。これをまとめると Pn=23+(1)n32n である。

別解

解法2(個数の漸化式)

方針

n 回後の値が2進小数の中点 {(j+1/2)/2n} を等確率で取ることを示す。2/3 未満の個数 An1/3 未満の個数 Bn を導入し、左右対称性からBn=2nAn として、確率の1次漸化式を解く。

解答

まず帰納法により、n 回後の値はxn=j+122n(j=0,1,,2n1)2n 個をそれぞれ確率 2n で取る。実際、f0 は添字 j をそのまま次の前半へ、f1j+2n として後半へ送るので、帰納法が閉じる。

個数の漸化式から求める方法もある。n 回後の 2n 個の値のうち、2/3 未満であるものの個数を An1/3 未満であるものの個数を Bn とする。

n+1 回後を作るとき、f0(x)=x/2 を選んだ場合は、もとの x がどの値でも x2<12<23 となる。したがってこの分だけで 2n 個ある。一方、f1(x)=(x+1)/2 を選んだ場合は x+12<23 すなわち x<13 であることが必要十分である。よって An+1=2n+Bn である。

ここで n 回後の値 j+122n(j=0,1,,2n1) は、x が現れれば 1x も現れるという左右対称な並びである。また 1/3,2/3 と一致する値はない。したがって 1/3 未満の個数は 2/3 より大きい個数に等しく、Bn=2nAn である。ゆえに An+1=2n+(2nAn)=2n+1An を得る。

Pn=An/2n とおくと Pn+1=1Pn2 である。初期値は P0=1 であり、Pn+123=12(Pn23) だからPn23=(12)n(123)=(1)n32nである。したがって Pn=23+(1)n32n となる。

総評

難度7、計算量5。目安時間は21分。第1解法は n 回後の等確率な格子点を直接数え、2n+1 の3で割った余りを偶奇で処理する。第2解法は同じ格子の左右対称性からPn+1=1Pn/2 を作り、定常値 2/3 との差を解く。2進表示と漸化式という異なる見方が一致し、符号 (1)n の由来も明確になる。

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出典: 京都大学 2015年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。