方針
絶対値のため,接点の位置が ∣x∣>1 の枝にあるか,∣x∣<1 の枝にあるかをまず分ける。外側では C1 と C2 の傾きが一致する条件から a=0 となり,a>0 に反する。内側では C1:y=1−x2 として,共有点条件と接線の傾き一致を連立し,接点と a を決める。面積は接点からもう一つの交点までだが,途中で x=1 をまたいで C1 の式が変わるので,積分を2つに分ける。
解答
∣x∣>1 では C1 は y=x2−1 であり,その傾きは 2x である。一方,C2:y=x2−2ax+2 の傾きは 2x−2a である。共通接線をもつなら 2x0=2x0−2a となり,a=0 を得る。これは a>0 に反する。したがって接点は外側の枝にはない。
よって接点は ∣x0∣<1 にある。この範囲では C1:y=1−x2 であり,その傾きは −2x である。共通接線の条件から −2x0=2x0−2a なので a=2x0 である。また共有点条件より 1−x02=x02−2ax0+2 である。ここに a=2x0 を代入すると 1−x02=2−3x02 すなわち 2x02=1 である。a=2x0>0 より x0=21,a=2 である。
このとき C2:y=x2−22x+2 である。
このときの2曲線と2つの交点の位置関係は次の通りである。
接点のほかの交点を求める。∣x∣<1 の枝では接しているだけなので,もう一つの交点は x>1 の枝で生じる。そこで x2−1=x2−22x+2 を解くと x=223 である。 1/2≦x≦1 では上側が C2,下側が C1:y=1−x2 であり,差は (x2−22x+2)−(1−x2)=2x2−22x+1 である。1≦x≦3/(22) では下側が C1:y=x2−1 で,差は (x2−22x+2)−(x2−1)=3−22x である。したがって求める面積は∫1/21(2x2−22x+1)dx+∫13/(22)(3−22x)dxである。第一項は[32x3−2x2+x]1/21=32−2+1−321であり,第二項は[3x−2x2]13/(22)=429−3+2である。これらを合わせると 24232−34 となる。
別解
解法2
方針
接点が外側の枝にないことを傾きから確認した後,内側の枝で2曲線の差を2次式として見る。接するための判別式が0になることから a=2 と接点を一度に決める。面積は差を平方および1次式に因数化して,短く積分する。
解答
まず ∣x0∣>1 なら,C1 と C2 の傾きはそれぞれ2x0,2x0−2aである。これらが等しいと a=0 となり,条件に反する。したがって∣x0∣<1である。
この範囲では C1:y=1−x2 だから,C2 と C1 の高さの差は(x2−2ax+2)−(1−x2)=2x2−2ax+1である。2曲線が接するためには,この2次式が重解をもつ。判別式を0とおくと(−2a)2−4⋅2⋅1=0,したがって a2=2 である。a>0 よりa=2,x0=2a=21.内側の枝での差は2x2−22x+1=2(x−21)2.外側の枝とのもう1つの交点はx2−1=x2−22x+2よりx=223であり,外側での高さの差は3−22x=22(223−x).よって面積 S はS=∫1/212(x−21)2dx+∫13/(22)22(223−x)dx=32(1−21)3+2(223−1)2=24232−34.
総評
難度6、目安時間25分。絶対値の外側の枝では傾き一致が a=0 を強制するため,接点は内側に限られる。内側では共有点条件と傾き条件を連立しても,2曲線の差の判別式を0としても a=2, x0=1/2 が得られる。面積区間の途中に x=1 があり,C1 の式が 1−x2 から x2−1 へ変わるため,積分を必ず2つに分ける。図で接点と第2交点の順序を確認し,両解法の結果が一致することまで検算した。
冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。