方針
操作後の和は,0を取り出すと新しい最大値が1つ増え,正の数を取り出すとその数がもう1つ増えると考える。(1)のしきい値は最大和 より1だけ小さいので,最大または最大より1小さい操作列だけを数えればよい。(2)では各回で少なくとも1ずつ和が増えるため であり, と になる極端な列を直接数える。確率は,各時刻の袋の中の球数と,該当する数が書かれた球の個数を追って掛け合わせる。
解答
(1)
和を最大にするには,毎回0が書かれた球を取り出せばよい。このとき1回ごとに新しい数が作られ, 回後の正の数は である。したがって最大値は である。問題の条件は であり,最大値より1小さい値以上を求めている。
最大値になるのは, 回すべてで0を取り出す場合だけである。この確率は, 回目の操作直前に袋の中の球が 個あることから である。
次に最大値より1小さい値になる場合を考える。最初の 回で0を取り出すと,袋には0と が1個ずつ入っている。最後に0ではなく と書かれた球を取り出せば,増える値が ではなく になるので,和は最大値より1だけ小さくなる。これ以外で0を取り出さない回がもっと早いと,失う値は2以上になるため条件を満たさない。
この場合の確率は である。よって求める確率は である。
(2)
各操作では新たに入る球の数は少なくとも1であるから,常に である。したがって となるのは, または の場合に限られる。
まず となるには,1回目に0を取り出して1を作り,その後は毎回1と書かれた球を取り出すしかない。2回目以降, 回目の操作直前には袋の中の球が 個あり,そのうち1と書かれた球が 個ある。よって確率は である。
次に となる場合を数える。これは,2回目から 回目までのどこか1回だけ0を取り出して2を作り,それ以外の回では1を取り出す場合に限られる。0を取り出すのが 回目 であるとする。その前までは1を取り出し, 回目に0を取り出し,その後は再び1を取り出すので,その確率はである。この値は によらない。 は 通りあるから である。
以上より である。
別解
解法2
方針
各回に新しく加わる数を,最大列 からの「不足」と,最小列 からの「超過」で評価する。(1)では不足が高々1,(2)では超過が高々1となる操作列を分類する。分類後の確率は,その時点の球総数と1が書かれた球の個数から積を作り,望ましい形に約分する。
解答
(1)
毎回0を取り出すと,新しく加わる数は順にとなる。したがって問題のしきい値はこの最大値より1だけ小さい。
最初に0以外を取り出すのが第 回だとする。それ以前は0を取り出しているので,第 回直前の正の数は である。ここで を取り出すと,本来加わる の代わりに が加わり,少なくとも1不足する。
もし なら,次回以降も最大値の生成が1段遅れるため,最終的な不足は少なくとも2になる。よって不足が高々1となるのは,次の2場合だけである。どちらの確率もである。したがって求める確率は(2)
最小の増分は毎回1なので である。 となるには,最初に0を取り出して1を作り,以後は1だけを取り出せばよい。その確率は となるには,基準の増分1を超える操作がちょうど1回だけ必要である。それは第 回 に0を取り出して2を作り,他の回では1を取り出す場合に限られる。
第 回より前,第 回,第 回より後の確率を分けるとこれは によらず, は 通りあるからゆえに
総評
難度7、目安時間30分。分布全体を求めず,最大値からの不足と最小値からの超過だけを分類するのが核心である。(1)のしきい値は最大値 より1小さいため,許されるのは全回0,または最後だけ の2列。(2)は から の場合だけを数える。0を取り出す時刻 を固定した後半では,1の球の個数が球総数より2少ないことに注意して積を作る。2解法で確率 と を相互検算した。