方針
絶対値を x≧0 と x<0 に分け、各半直線上で2次関数の頂点が定義域に入るかを調べる。最後に3つの a の範囲をまとめ、式に対応するグラフを描く。
解答
x≧0 ではf(x)=x2+2(a+b)x={x+(a+b)}2−(a+b)2である。頂点 x=−(a+b) が x≧0 に入るのは a≦−b のときだから、この半直線での最小値は{−(a+b)20(a<−b),(a≧−b)である。
一方、x<0 ではf(x)=x2+2(a−b)x={x+(a−b)}2−(a−b)2である。頂点 x=b−a が負になるのは a>b のときである。したがって全体の最小値はm=⎩⎨⎧−(a+b)20−(a−b)2(a<−b),(−b≦a≦b),(a>b)となる。
別解
解法2
方針
r=∣x∣ を固定すると、x の符号は一次項 2ax を最小にする側へ選べる。これにより1変数 r≧0 の2次関数へまとめ、∣a∣ と b の大小だけで判定する。
解答
r=∣x∣≧0 を固定する。このとき x=r または x=−r であり、2ax の小さい方は −2∣a∣r である。したがって、∣x∣=r を満たす x の中での最小値はr2−2∣a∣r+2br=r2+2(b−∣a∣)rである。
よって求める m は、r≧0 におけるφ(r)=r2+2(b−∣a∣)rの最小値に等しい。∣a∣≦b なら b−∣a∣≧0 だから、r=0 でm=0となる。∣a∣>b ならφ(r)={r−(∣a∣−b)}2−(∣a∣−b)2であり、頂点 r=∣a∣−b>0 でm=−(∣a∣−b)2となる。これを a の符号に応じて書き直すとm=⎩⎨⎧−(a+b)20−(a−b)2(a<−b),(−b≦a≦b),(a>b)を得る。グラフは解法1の図のとおりである。
総評
難度4、目安時間12分。絶対値を外した後は、頂点が許された半直線にあるかを必ず確認する。r=∣x∣ とする別解では左右の場合分けが一度に処理でき、答えが ∣a∣ に関して対称であることも見通しよく分かる。グラフは中央の線分と左右の放物線が (−b,0),(b,0) でつながる。
冊子PDFで見る京大の関数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2019年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。