Evolton

京都大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

abcは実数とする。次の命題が成立するための,acがみたすべき必要十分条件を求めよ。
さらに,この(a,c)の範囲を図示せよ。

命題: すべての実数bに対して,ある実数xが不等式ax2+bx+c<0をみたす。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

方程式・不等式図形と方程式 必要十分条件、場合分け、グラフの概形

方針

a<0,a=0,a>0 に分ける。a<0 では遠方で2次式が負になり、a0 では b=0 が必要条件を与える。逆向きは x=0 を選んで示す。

解答

a<0 のとき、任意の b,c に対してax2+bx+c(x)である。したがって、どの b に対しても左辺が負になる x が存在する。

a=0 のときは bx+c<0 となる。b0 なら x を適切な向きへ十分大きく取ればよいが、b=0 でも成立するには c<0 が必要である。逆に c<0 なら x=0 が使える。

a>0 のとき、特に b=0 とすればax2+c<0を満たす x が必要である。ax20 より、これは c<0 を必要とする。逆に c<0 なら、任意の b に対して x=0 とすれば左辺は c<0 である。

以上より、必要十分条件はa<0またはc<0である。

図の着色部分が求める範囲である。負の半軸はもう一方の不等式によって含まれ、正の半軸は含まれない。

別解

解法2

方針

元の命題が成立しない条件を求める。否定は「ある b が存在し、すべての x で2次式が0以上」となる。この条件を分類してから補集合を取る。

解答

元の命題の否定はある実数 b が存在して、すべての実数 x に対し ax2+bx+c0である。

a<0 なら左辺は遠方で負になるため、この否定命題は成立しない。

a=0 のとき、一次式 bx+c がすべての実数 x で0以上になるには b=0,c0 が必要十分である。したがって、否定命題が成立するのは c0 のときである。

a>0 のとき、c0 なら b=0 を選ぶことでax2+c0がすべての x で成立する。一方、c<0 ならどの b を選んでも x=0 で左辺は負なので、否定命題は成立しない。

ゆえに元の命題が成立しない範囲はa0かつc0である。その補集合を取れば、求める必要十分条件はa<0またはc<0となる。

総評

難度5、目安時間15分。「すべての b」という全称条件から、まず b=0 を代入して必要条件を取り出すのが有効である。ただし a<0 では c の符号に関係なく負の値を取る。別解のように命題の否定を正確に書くと、量記号の順序を崩さず補集合として整理できる。

冊子PDFで見る京大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2019年度 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。