方針
絶対値を外して2本の放物線に分け、傾き1となる点をそれぞれ調べる。a<0 に合う接点を採用した後、負の側のもう1つの交点まで求め、x=0 で積分を分ける。
解答
接線条件
x≧0 ではC: y=x2−3x+1,y′=2x−3.直線 l の傾きは1だから、接点では2x−3=1.よって接点の x 座標は2、y 座標は −1 である。−1=2+aよりa=−3.一方、x<0 ではC: y=−x2−3x+1,y′=−2x−3.傾き1となるのは x=−2 で、この点では y=3 だから a=5 となる。これは a<0 に反する。したがって a=−3 だけが適する。
面積
このとき l:y=x−3 である。曲線と直線の差は{−x2−4x+4(x−2)2(x<0),(x≧0).負の側の交点は−x2−4x+4=0の負の解α=−2−22である。囲まれた領域では曲線が直線より上にあるので、面積 S はS=∫α0(−x2−4x+4)dx+∫02(x−2)2dx.前半で u=x+2 とおくと∫−222(8−u2)du=340+322,後半は∫02(x−2)2dx=38.ゆえにS=16+3322.
別解
解法2(判別式から接線を決める方法)
方針
各枝と直線の共有点方程式を作り、接する条件を判別式0で表す。面積は交点方程式を使って負側の端点を求め、原始関数へ代入する。
解答
x≧0 の枝と直線の共有点はx2−3x+1=x+a,すなわちx2−4x+1−a=0の解である。接するための条件は16−4(1−a)=0だから a=−3 である。このとき重解は x=2 で、枝の範囲にも入る。
x<0 の枝では−x2−3x+1=x+aよりx2+4x+a−1=0.重解条件は 16−4(a−1)=0、すなわち a=5 であり、仮定に反する。よってa=−3.負の枝と y=x−3 の交点方程式はx2+4x−4=0.負の解を α=−2−22 とすると、面積はS=∫α0(−x2−4x+4)dx+∫02(x2−4x+4)dx=[−3x3−2x2+4x]α0+[3(x−2)3]02.α2+4α−4=0 を用いて α の高次を整理するとS=16+3322.
総評
難度5、計算量5。目安時間は20分。絶対値を x=0 で分けること、接線候補が各枝に1つずつあること、負側の候補は a<0 で除外されることを順に確認する。面積の境界は接点 x=2 だけではなく、負の枝との交点 −2−22 も必要である。積分は枝ごとに独立表示し、上下関係を図でも確認すると符号を誤りにくい。
冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。