京都大学 2026年度
理系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系学部
- 分野
- 三角関数、積分
- 解法
- 体積計算、場合分け、定積分評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 7 / 10 目安 28分
問題
aは0<a<πを満たす実数とする.2つの関数y=sin(x+a)とy=sin(x−a)のグラフの,−2π≦x≦2πの部分が囲む領域をDaとする.x軸のまわりにDaを1回転してできる立体の体積を求めよ.
出典:京都大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
2曲線の差は 2cosxsina で,区間内では上下関係が一定である。ただし,回転体の断面は,2曲線の間の縦線分が x 軸をまたぐかどうかで変わる。a と π−a では上下の曲線が符号反転するだけなので体積は同じであり,b=min{a,π−a}≦π/2 として計算する。対称性で x≧0 の半分を考え,0≦x≦b は円板,b≦x≦π/2 は環状断面として積分する。
解答
まず sin(x+a)−sin(x−a)=2cosxsina である。−π/2<x<π/2 では cosx>0,また 0<a<π では sina>0 なので,常に sin(x+a)>sin(x−a) である。
ここで b=min{a,π−a} とおく。a を π−a に替えると,sin(x+π−a)=−sin(x−a),sin(x−(π−a))=−sin(x+a) となり,領域は x 軸に関して反転するだけである。したがって,x 軸まわりの回転体の体積は変わらない。よって 0<b≦2π として計算すればよい。
このとき領域は原点に関して対称である。実際,x を −x に替えると2つの関数は符号を変えて入れ替わる。したがって,体積は 0≦x≦π/2 の部分を計算して2倍すればよい。 0≦x≦b では x−b≦0,x+b≧0 であり,縦線分は x 軸をまたぐ。このとき外側の半径は sin(x+b) である。なぜなら sin(x+b)−{−sin(x−b)}=sin(x+b)+sin(x−b)=2sinxcosb≧0 だからである。よって断面積は πsin2(x+b) である。
一方,b≦x≦π/2 では2つの値はともに0以上であるから,断面は環状になる。断面積は π{sin2(x+b)−sin2(x−b)} である。ここで sin2U−sin2V=(sinU−sinV)(sinU+sinV) を用いると,sin2(x+b)−sin2(x−b)=sin2xsin2b である。
したがって体積 V は
V=2π{∫0bsin2(x+b)dx+∫bπ/2sin2xsin2bdx}=2π{[2u−4sin2u]b2b+sin2b[−2cos2x]bπ/2}=2π{2b−4sin4b−sin2b+2sin2b(1+cos2b)}=πb+23πsin2b
となる。最後の変形では sin4b=2sin2bcos2b を用いた。ここで b=min{a,π−a} だから,a だけを用いて書けば
V=⎩⎨⎧πa+23πsin2aπ(π−a)−23πsin2a(0<a≦2π),(2π≦a<π)
であり,a=π/2 では両式が一致する。