方針
正三角形の3辺に垂直な方向へ,単位正方形がどれだけ広がるかを調べる。単位正方形の中心を原点に置くと,方向 への最大の射影は である。正三角形を3本の支持直線で表すと,高さは3方向の支持量の和以上になる。正三角形の向きは対称性により だけ調べればよく,この範囲で和を計算して最小の高さを求める。最後に高さから1辺の長さへ戻す。
解答
単位正方形の中心を原点に置き,その辺が座標軸に平行であるようにとる。方向 の単位ベクトルを とする。単位正方形の点 は を満たすので,内積 の最大値は である。これは,その方向へ正方形が中心からどれだけ突き出すかを表す。
正三角形の3辺に垂直な内向きの方向を とする。正方形が正三角形に含まれるためには,正三角形の高さ が,この3方向への正方形の突き出し量の和以上でなければならない。したがってである。
正方形と正三角形は回転対称性をもつので, の範囲だけ調べればよい。この範囲では符号を調べることで,右辺は となる。実際,3つの余弦の絶対値の和は ,3つの正弦の絶対値の和は である。
微分するとである。 は と同値である。したがって は で増加し, で減少するから,最小値は端点のいずれかでとる。端点での値は であり,である。よって,必要な高さの最小値は である。
この下限は実際に達成できる。たとえば となる向きで,正方形に接する3本の支持直線を正三角形の辺としてとれば,高さが の正三角形ができ,正方形の4頂点はその内部または辺上に入る。
正三角形の1辺の長さを とすると,高さは である。したがって最小の は である。求める最小値は である。
総評
難度7,計算量5。想定時間は25分程度。正方形を含む正三角形を,120度ずつ異なる3方向の支持直線で捉える。単位正方形の方向 への支持量は で,3方向の和が必要な三角形の高さになる。対称性で に絞り,符号を外して増減を調べる。下限を求めるだけでなく,端点の向きで3本の支持直線が実際に正三角形を作ることを示して達成可能性を完結させるのが採点上重要である。図形を座標で場合分けする方法もあるが接触型が増えやすく,支持量による解法が最も整理しやすい。