方針
として,差を に直し,二項展開する。各項には が含まれるので,この係数部分が少なくとも で割り切れることを示す。上限については, の係数が ちょうどであることを見れば,すべての係数が で割り切れることはない。
解答
とおく。与えられた多項式は である。ここで だから,二項定理よりである。
まず,この多項式のすべての係数が で割り切れることを示す。 とし, を割り切る最大の2の累乗を とする。すなわち とおく。ただし は奇数である。
次に を用いる。ここで は奇数である。実際,と書いたとき, について, と は同じ回数だけ2で割り切れる。したがって分子と分母に含まれる2の個数は等しく,この二項係数は2で割り切れない。
したがって, は で割り切れ, では割り切れない。よって の係数部分は,少なくとも で割り切れる。ここで かつ であるから,常に が成り立つ。ゆえに である。
また は整数係数の多項式なので,これを掛けても で割り切れる性質は失われない。したがって,展開後のすべての係数は で割り切れる。
次に, ではすべての係数が割り切れないことを示す。 の係数を見る。上の和で, の1次の項を生むのは の項だけである。 の項は であるから, の係数は である。これは では割り切れない。
以上より,すべての係数は で割り切れるが,すべての係数が で割り切れるわけではない。したがって,求める最大の は である。
総評
難度7,計算量6。想定時間は25分程度。差を と二項展開し,各項の2の因子を評価する。( は奇数)に対し, が奇数であることから の2進指数が と分かる。これに を合わせて少なくとも 個の2を得る。採点では「各項が割り切れる」下限と,「 の係数がちょうど 」という上限の両方が必要である。二項係数の奇偶を説明せず既知定理として済ませると論証不足になりやすい。