Evolton

京都大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

aは1より大きい実数とし,kは実数とする.0<x<1において定義された関数をf(x)=1x2(logax)2とおく.y=f(x)y=kのグラフの共有点がちょうど2個存在するような実数の組(a,k)の集合を,
座標平面に図示せよ.ただしlogxは自然対数とする.
また,limx+0xlogx=0が成り立つことを証明なしに用いてよい.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

微分指数・対数関数 増減表グラフの概形必要十分条件

方針

分母の xlog(a/x) を1つの関数 h(x) と見ると,f(x)=1/h(x)2 である。0<x<1 では h(x)>0 なので,y=f(x)y=k の交点数は h(x)=1/k の解の個数に対応する。h(x)=log(a/x)1 を調べ,ae では単調増加,1<a<e では x=a/e で最大となることを使う。端点 x=1 は定義域に含まれないため,1/k=loga は2解ではない点に注意する。

解答

h(x)=xlogax とおく。0<x<1a>1 であるから ax>1 であり,h(x)>0 である。また f(x)=1h(x)2 である。

まず h(x) の増減を調べる。微分すると h(x)=logax1 である。また,問題文で与えられた極限を用いると limx+0h(x)=limx+0x(logalogx)=0 である。さらに limx10h(x)=loga である。 ae のとき,0<x<1 では logax>loga1 である。したがって h(x)>0 であり,h(x) は単調増加する。このとき f(x)=1/h(x)2 は単調減少するので,水平線 y=k との共有点がちょうど2個になることはない。

次に 1<a<e とする。このとき h(x)=0 となるのは logax=1 すなわち x=ae である。1<a<e より 0<a/e<1 である。h(x)>0 となるのは 0<x<a/eh(x)<0 となるのは a/e<x<1 なので,h(x)x=a/e で最大値をとる。その最大値は h(ae)=aeloge=ae である。

また 0<loga<ae である。実際,u(a)=a/eloga とおくと,1<a<eu(a)=1e1a<0 であり,u(e)=0 だから u(a)>0 である。 y=f(x)y=k が共有点を持つには,まず k>0 が必要である。そのとき f(x)=kh(x)=1k と同値である。1<a<e の場合,h(x)=c0<x<1 にちょうど2つの解をもつのは,水平線 y=c が右端の極限値 loga より上,最大値 a/e より下にあるときである。すなわち loga<c<ae である。ここで c=1/k とおくと loga<1k<ae である。これを k について解くと e2a2<k<1(loga)2 である。

したがって,求める実数の組 (a,k) の集合は 1<a<e,e2a2<k<1(loga)2 である。座標平面では,a 軸を横軸,k 軸を縦軸として,1<a<e の範囲で2つの曲線 k=e2a2,k=1(loga)2 の間の開いた領域を図示すればよい。

境界はいずれも含まれないので破線で描く。求める領域は次の網掛け部分である。

\hfil
\hfil

総評

難度6,計算量5。想定時間は20分程度。h(x)=xlog(a/x)>0 とまとめ,f(x)=kh(x)=1/k の水平線問題へ変換する。ae では2解をもたず,1<a<e では右端の極限 loga と最大値 a/e の間に水平線があるときだけ2解となる。x=1 は定義域外なので境界は含まれない。k>0loga<a/e,不等号反転を示し,境界を破線で図示する。

冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 令和8年度一般選抜 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。