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九州大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

1辺の長さが1cmの正四面体ABCDの辺ABACAD上を,
それぞれ点PQRが毎秒1cm,2cm,4cmの速さで往復している.
3点PQRは同時に点Aを出発したとして,
t秒後の点PQRについて,次の(1),(2)に答えよ.

(1) AP=AQ=ARとなるときのtの値を求めよ.

(2) 14t12において,
PQ2+QR2+RP2の最大値と最小値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

ベクトル図形と方程式 場合分け、範囲評価、微分による最大最小

方針

各点の A からの距離は,辺の長さ1を往復する三角波になる。共通周期は2秒なので,まず 0t<2AP=AQ=AR を調べる。(2) の区間 1/4t1/2 では,AP=tAQ=2tAR=24t と明確に書ける。正四面体では A から出る任意の2辺のなす角が 60 なので,距離の二乗を余弦定理で表し,二次関数として最大最小を調べる。

解答

(1) まず,各点の A からの距離を考える。点 P は速さ1で辺 AB 上を往復するので,AP は周期2秒の三角波である。点 Q は速さ2なので周期1秒,点 R は速さ4なので周期 1/2 秒である。したがって3点全体の状態は2秒ごとに繰り返す。よって 0t<2 で調べればよい。

この範囲を,R が折り返す時刻に合わせて区切る。0t1/4 では AP=t,AQ=2t,AR=4t であるから,3つが等しいのは t=0 だけである。 1/4t1/2 では AP=t,AQ=2t,AR=24t である。このとき AP=AQt=0 を与えるだけなので,この区間には解はない。 1/2t3/4 では AP=t,AQ=22t,AR=4t2 である。AP=AQ より t=22t,t=23 であり,このとき AR=42/32=2/3 なので,実際に3つは等しい。 3/4t1 では AP=t,AQ=22t,AR=44t であり,AP=AQ からは t=2/3 となるが,これはこの区間に入らない。したがって解はない。 1t<2 については,2t 秒後の状態と対称に考えられる。したがって t=2/3 に対応して t=223=43 も解であり,これ以外はない。

よって周期2秒を考えると,求める時刻はt=2m,2m+23,2m+43(m=0,1,2,)である。

(2) 1/4t1/2 では,点 PQ はまだ A から遠ざかっており,点 RD に着いてから戻っている。したがって AP=t,AQ=2t,AR=24t である。

正四面体では,AB,AC,AD のどの2辺のなす角も 60 である。したがって,A から同じ角 60 をなす2本の半直線上に,距離 u,v の点があるとき,その2点間の距離の二乗は u2+v22uvcos60=u2+v2uv である。

よってPQ2=t2+(2t)2t2t=3t2,QR2=(2t)2+(24t)2(2t)(24t),RP2=(24t)2+t2(24t)tである。これらを足すと PQ2+QR2+RP2=52t238t+8 となる。

これは下に凸の二次関数であり,頂点は t=38252=1952 である。この値は 1/4t1/2 に含まれる。したがって最小値は52(1952)238(1952)+8=5552である。

最大値は区間の端で調べればよい。端点では t=14のとき52t238t+8=74 であり,t=12のとき52t238t+8=2 である。したがって 最大値 2,最小値 5552 である。

別解

解法2(距離三角波の表と対称式)

方針

一周期を折返し時刻で表にし、等距離時刻を読む。距離平方和は三変数の対称式にまとめてから代入する。

解答

(1)
u=AP,v=AQ,w=AR とする。0t1 ではtuvw0t1/4t2t4t1/4t1/2t2t24t1/2t3/4t22t4t23/4t1t22t44tである。三つが等しいのは t=0,2/3 だけである。運動は周期2で、1t2t2t で対称だからt=2m,2m+23,2m+43(m=0,1,2,).(2)
二本の辺のなす角は 60 なので、三距離の平方和はu2+v2+w2+12{(uv)2+(vw)2+(wu)2}.指定区間では (u,v,w)=(t,2t,24t) だからF(t)=52t238t+8.頂点 t=19/52 は区間内にありF(1952)=5552.端点では F(1/4)=7/4F(1/2)=2 なので最大値 2,最小値 5552.

総評

難易度は7,計算量は7程度である。想定時間は25分から35分程度。往復運動は速さが違うため,各点の A からの距離を三角波として管理するのが第一の山である。(2) は指定区間が狭いので,その区間内での距離式 t,2t,24t を確定してから進めるとよい。正四面体の3本の辺のなす角がすべて 60 であることを使い,距離の二乗を u2+v2uv と書くのが計算の中心である。頂点が区間内にあるか,最大値はどちらの端点かまで確認すること。 解法2では三距離の対称恒等式を使い、三本の余弦定理を個別に展開しない。

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出典: 九州大学 1986年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。