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九州大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

f(x)=ax+exsinxg(x)=ex(cosxsinx)とする.

(1) y=g(x) (x0)のグラフの概形を描け.

(2) f(x)が区間0<x<2π内で極値として極大値のみを1つだけもつとき,aの範囲を定めよ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安35

微分三角関数指数・対数 グラフの概形微分による最大最小、範囲評価

方針

まず f(x)=a+g(x) であることを確認する。したがって,f の極値の個数と種類は,g(x) のグラフと水平線 y=a の交点の個数および符号変化で決まる。(1) では g(x)=2excosx から増減を調べ,零点と極値を押さえて概形を描く。(2) では 0<x<2π において,水平線 y=a が最初の減少部分だけで交わる,または第2の山の頂点で接する場合だけが「極大値のみを1つ」に対応する。

解答

(1) g(x)=ex(cosxsinx) である。微分すると g(x)=ex(cosxsinx)+ex(sinxcosx)=2excosx である。ex>0 なので,g(x) の符号は cosx の符号で決まる。

したがって x>0 では,0<x<π2で g(x)<0, π2<x<3π2で g(x)>0, 3π2<xで g(x)<0 である。また g(0)=1, g(π2)=eπ/2, g(3π2)=e3π/2 である。

零点は cosxsinx=0 から x=π4,x=5π4 である。よって概形は,(0,1) から減少して x=π/4x 軸を横切り,x=π/2 で最小値 eπ/2 をとり,その後増加して x=5π/4 で再び x 軸を横切り,x=3π/2 で最大値 e3π/2 をとり,その後減少しながら 0 に近づく形である。

(2) f(x)=ax+exsinx を微分すると f(x)=a+ex(cosxsinx)=a+g(x) である。したがって f(x)=0g(x)=a と同値である。つまり,f の極値は,g のグラフと水平線 y=a の交点で決まる。 0<x<2π で考える。g(0,π/2) で減少するので,この区間で水平線と交わると,f(x)=a+g(x) は正から負へ変わり,f は極大値をとる。

一方,g(π/2,3π/2) で増加する。ここで交わると,f(x) は負から正へ変わるので,極小値が生じてしまう。また (3π/2,2π) で交わると,さらに極大値が生じる。

したがって,極大値のみを1つだけもつためには,水平線 y=a が最初の減少部分では1回交わり,(π/2,3π/2) の増加部分では符号変化を伴う交点をもたないことが必要である。最初の減少部分で交わるためには eπ/2<a<1 が必要であるが,増加部分で通常の交点をもたないためには,その最大値 e3π/2 以上でなければならない。a=e3π/2 のときは x=3π/2 で接するだけで,f(x) の符号は変わらないので極値は増えない。

よって条件は e3π/2a<1 である。したがって 1<ae3π/2 である。

別解

解法2:導関数の4区間の符号を直接追う

方針

f(x)=a+g(x)g(x)=2excosx を用い、0,π/2,3π/2,2π で区切った各区間で f の増減と符号を追う。最初の区間で正から負へ1回だけ変わり、その後は正にならないための端点条件を組み合わせる。

解答

(1) g(x)=2excosx.したがって g(0,π2)で減少,(π2,3π2)で増加,(3π2,)で減少する。主な値はg(0)=1,g(π2)=eπ/2,g(3π2)=e3π/2であり、零点は π/4,5π/4, である。

(2) f(x)=a+g(x).(0,π/2) で極大点がちょうど1個生じるためには、f が正から負へ1回変わればよい。端点側の条件はa+1>0.求める場合には a<0 となるのでaeπ/2<0は自動的に満たされ、減少性から交点は1個だけである。

続く (π/2,3π/2)f は増加する。ここで正になれば極小値が生じるため、その最大値に対してa+e3π/20が必要十分である。等号のとき x=3π/2f=0 となるが、符号は変わらないので極値ではない。その後 f は減少するため、新たな極大点もない。

以上から1<ae3π/2である。

総評

導関数を補助関数 g としてグラフで判定する問題で,目安時間は35分。f(x)=a+g(x) に気づけば,あとは g と水平線 y=a の交点問題になる。gπ/2 で最小,3π/2 で小さな正の最大値をとるため,ae3π/2 より小さいと余分な極小・極大が発生する。端点 a=e3π/2 では接するだけで符号変化がない点を明示するのが重要である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 九州大学 1991年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。