方針
与式をxn+1について解き、xn+1=xn/(b+xn)とする。正の初項からすべてxn>0なので逆数yn=1/xnをとると、yn+1=byn+1という一次漸化式になる。b=1とb=1で一般項を分け、極限は0<b<1, b=1, b>1で分類する。
解答
問題の初項をx1=aと読む。与えられた関係 xn=1−xn+1bxn+1 をxn+1について解くと xn(1−xn+1)=bxn+1 より xn+1=b+xnxn である。a>0, b>0なので、すべてのnでxn>0である。
(1)
yn=xn1 とおく。すると yn+1=xnb+xn=byn+1 であり y1=a1 である。 b=1のとき yn+1=yn+1 だから yn=a1+n−1 である。よって xn=1+a(n−1)a である。 b=1のとき、一次漸化式を解いて yn=bn−1y1+1+b+⋯+bn−2 である。したがって yn=abn−1+b−1bn−1−1 であり xn=abn−1+b−1bn−1−11 である。
(2)
b=1のとき、(1)よりyn→∞なので xn→0 である。b>1のときもbn−1→∞であり、yn→∞だから xn→0 である。 0<b<1のとき、bn−1→0であり b−1bn−1−1→1−b1 だから yn→1−b1 である。よって xn→1−b である。
以上よりn→∞limxn=⎩⎨⎧1−b0(0<b<1),(b≧1)である。
別解
解法2
方針
漸化式を一次化する代わりに、写像 T(x)=x/(b+x) の2つの不動点 0,1−b を使う。比 1−(1−b)/xn は毎回 b 倍されるため、反復を直接解ける。
解答
与式はxn+1=b+xnxnと同値である。
(1)
b=1 としzn=1−xn1−bとおく。するとzn+1=1−xn(1−b)(b+xn)=b(1−xn1−b)=bzn.従って1−xn1−b=bn−1(1−a1−b),すなわちxn=a−bn−1(a+b−1)a(1−b)(b=1).b=1 ではxn+11=xn1+1だからxn=1+a(n−1)a.(2)
b≧1 では上式から xn→0。0<b<1 では bn−1→0 なのでxn⟶1−b.従ってn→∞limxn={1−b0(0<b<1),(b≧1).
総評
分数型の漸化式を逆数で一次漸化式に直す問題で、目安時間は25分前後。xn+1=xn/(b+xn)に直すと、正の値が保たれることも分かる。b=1では等差型、b=1では等比数列の和が出るため、場合分けを省かないことが大切である。極限では0<b<1のときだけ有限正の値1−bに近づき、b≧1では0へ近づく。
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出典: 九州大学 1997年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。