方針
三つの量はいずれも正なので,大小比較は二乗・三乗に移して差を調べられる。まず ab と (a+2b)/3 は二乗して差を因数分解する。次に (a+2b)/3 と三乗根の量は三乗して差を計算する。最後に 0<a<b から各因子が正であることを確認し,等号が起こらないことまで明記する。
解答
三つの数はいずれも正である。したがって正の数どうしの比較では,二乗または三乗して比べても大小関係は変わらない。
まず A=3a+2b,G=ab とおく。するとA2−G2=(3a+2b)2−ab=9a2+4ab+4b2−9ab=9(b−a)(4b−a). 0<a<b より b−a>0,また 4b−a>3b>0 であるから A2−G2>0. 正の数どうしなので ab<3a+2b である。
次に C=33b(a2+ab+b2) とおく。A,C>0 なので三乗して比べる。27(C3−A3)=9b(a2+ab+b2)−(a+2b)3=9a2b+9ab2+9b3−(a3+6a2b+12ab2+8b3)=−a3+3a2b−3ab2+b3=(b−a)3. b−a>0 より C3−A3>0 である。したがって 3a+2b<33b(a2+ab+b2). 以上より ab<3a+2b<33b(a2+ab+b2) である。
別解
解法2
方針
3つの正数を a で割り、t=b/a>1 の一変数にする。二乗差と三乗差がそれぞれ t−1 を因数にもつことを示して比較する。
解答
t=b/a とおくと t>1 である。3数を正数 a で割るとt,31+2t,33t(1+t+t2)を比べればよい。
まず(31+2t)2−t=9(t−1)(4t−1)>0よりt<31+2t.次に9t(1+t+t2)−(1+2t)3=(t−1)3>0だから31+2t<33t(1+t+t2).元へ戻してab<3a+2b<33b(a2+ab+b2).
総評
正の量の比較に二乗・三乗を使うだけの問題に見えるが,差を最後まで因数分解して符号を言い切ることが大切である。所要時間は8分前後。A2−G2 の因数は (b−a)(4b−a)/9 であり,4b−a>0 の確認を省かないこと。三乗根との比較では,展開した式が (b−a)3 になるのが見せ場である。別解のように t=b/a とおくと一変数化でき,計算の見通しがよいが,元の三つの量が正であるため累乗比較が許される,という一文を添えると答案として安定する。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。
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出典: 九州大学 1999年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。