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九州大学 2022年度
文系数学 第3問

問題

を実数とし,整式

で定める。方程式が虚数解をもつとき,以下の問いに答えよ。

(1) で割り切れることを示せ。

(2) 方程式は負の実数解をもつことを示せ。

(3) 方程式のすべての実数解が整数であり,すべての虚数解の実部と虚部がともに整数であるとする。このようなをすべて求めよ。

出典:九州大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問

方針

解法1

を直接確認して,まず既知の実数解 を取り出す。残りの3次式が虚数解をもつなら,実係数であるため虚数解は共役な2解となり,残り1つは実数解である。その実数解の符号は根の積から判定する。整数条件のある最後の設問では,3次式の根を と置き, を係数比較して候補を有限個に絞る。

解法2(共役根のノルムを先に列挙)

3次因子の根を とする点は同じだが, を先に置く。積の関係から は32の正の約数, であり,根の和から と決まる。有限個の について が整数かつ が正の平方数かを調べると,表を短く整理できる。

解答

解法1

(1)

直接代入すると である。よって剰余の定理より, で割り切れる。

(2)

割り算を行うと である。 は実数解なので,方程式 が虚数解をもつなら,3次式 が虚数解をもつ。 は実係数だから,虚数解は共役な2解であり,それらを とおくことができる。残りの実数解を とする。

3次式 の根の積は,定数項を用いて である。ここで だから である。したがって は負の実数解をもつ。

(3)

(2) と同じく,3次式 の実数解を ,虚数解を とおく。条件より は整数であり, としてよい。すると である。展開して係数を比べると を得る。

第2式より の負の約数である。また第1式から でなければならない。 が整数なので は偶数であり,奇数の候補 は除かれる。残る候補を調べると

となる。したがって可能なのは だけである。

最後に第3式 を用いる。 のとき であるから ,すなわち である。 のとき であるから ,すなわち である。

よって求める値は である。

解法2(共役根のノルムを先に列挙)

(1)

直接代入して

よって剰余の定理から で割り切れる。

(2)

の虚数解を ,残る実数解を とする。根の積から

だから であり, は負の実数解をもつ。

(3)

条件より は整数で, としてよい。ここで

とおく。根の積と根の和から

したがって

は32の正の約数であり, が整数になる候補を調べると

となる。 が正の整数になるのは

だけである。

係数比較から

前者では より ,後者では より である。したがって