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九州大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

kを実数とし,整式f(x)f(x)=x4+6x3kx2+2kx64で定める。方程式f(x)=0が虚数解をもつとき,以下の問いに答えよ。

(1) f(x)x2で割り切れることを示せ。

(2) 方程式f(x)=0は負の実数解をもつことを示せ。

(3) 方程式f(x)=0のすべての実数解が整数であり,
すべての虚数解の実部と虚部がともに整数であるとする。
このようなkをすべて求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

数と式方程式・不等式複素数平面 展開・因数分解、解と係数の関係、場合分け

方針

f(2)=0 を直接確認して,まず既知の実数解 2 を取り出す。残りの3次式が虚数解をもつなら,実係数であるため虚数解は共役な2解となり,残り1つは実数解である。その実数解の符号は根の積から判定する。整数条件のある最後の設問では,3次式の根を ru±vi と置き,r+2ur(u2+v2)2ru+u2+v2 を係数比較して候補を有限個に絞る。

解答

(1)

直接代入すると f(2)=24+623k22+2k264=16+484k+4k64=0 である。よって剰余の定理より,f(x)x2 で割り切れる。

(2)

割り算を行うと f(x)=(x2){x3+8x2+(16k)x+32} である。x=2 は実数解なので,方程式 f(x)=0 が虚数解をもつなら,3次式 h(x)=x3+8x2+(16k)x+32 が虚数解をもつ。h(x) は実係数だから,虚数解は共役な2解であり,それらを u±vi (v0) とおくことができる。残りの実数解を r とする。

3次式 h(x) の根の積は,定数項を用いて r(u+vi)(uvi)=32 である。ここで (u+vi)(uvi)=u2+v2>0 だから r=32u2+v2<0 である。したがって f(x)=0 は負の実数解をもつ。

(3)

(2) と同じく,3次式 h(x) の実数解を r,虚数解を u±vi とおく。条件より r,u,v は整数であり,v>0 としてよい。すると h(x)=(xr){(xu)2+v2} である。展開して係数を比べると r+2u=8,r(u2+v2)=32,2ru+u2+v2=16k を得る。

第2式より r32 の負の約数である。また第1式から u=8r2 でなければならない。u が整数なので r は偶数であり,奇数の候補 r=1 は除かれる。残る候補を調べるとruu2+v2=32/rv2231674284804416421432121143となる。したがって可能なのは (r,u,v)=(4,2,2),(8,0,2) だけである。

最後に第3式 2ru+u2+v2=16k を用いる。(r,u,v)=(4,2,2) のとき 2ru+u2+v2=16+4+4=24 であるから 16k=24,すなわち k=8 である。(r,u,v)=(8,0,2) のとき 2ru+u2+v2=0+0+4=4 であるから 16k=4,すなわち k=12 である。

よって求める値は k=8,12 である。

別解

解法2(共役根のノルムを先に列挙)

方針

3次因子の根を r,u±vi とする点は同じだが,q=u2+v2 を先に置く。積の関係から q は32の正の約数,r=32/q であり,根の和から u=4+16/q と決まる。有限個の q について u が整数かつ v2=qu2 が正の平方数かを調べると,表を短く整理できる。

解答

(1)
直接代入してf(2)=16+484k+4k64=0.よって剰余の定理から f(x)x2 で割り切れる。

(2) f(x)=(x2)h(x),h(x)=x3+8x2+(16k)x+32.h の虚数解を u±vi (v0),残る実数解を r とする。根の積からr(u2+v2)=32.u2+v2>0 だから r<0 であり,f(x)=0 は負の実数解をもつ。

(3)
条件より r,u,v は整数で,v>0 としてよい。ここでq=u2+v2とおく。根の積と根の和からrq=32,r+2u=8.したがってr=32q,u=4+16q.q は32の正の約数であり,u が整数になる候補を調べるとqruv2=qu213212143216414480484241623732172不適となる。v が正の整数になるのは(r,u,v)=(8,0,2),(4,2,2)だけである。

係数比較から2ru+u2+v2=16k.前者では 16k=4 より k=12,後者では 16k=24 より k=8 である。したがってk=8, 12.

総評

公開問題PDFと原典TeXを照合済み。既知根2を外し,実係数3次式の虚数解が共役対になることから残る実根の符号を積で判定する。整数条件では候補の有限性を必ず示す。解法1は負の約数 r を列挙し,解法2は共役根の積 q=u2+v2 を先に列挙するので,漏れの相互確認になる。想定時間は25分程度で,v2>0 だけでなく平方数であることまで確認する。

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出典: 九州大学 2022年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。