方針
各命題を真偽で分ける。真の命題は標準的な証明を与え、偽の命題は具体的な反例を示す。(1)は素因数7の偶奇で無理数性を示す。(2)は和と積が有理でも個々が無理になる共役型の例を出す。(3)は何乗しても無理数の例として を使い、 の形が保たれ、 であることを示す。(4)は和 、積 からべき和の漸化式を作る。
解答
(1)
真である。背理法で示す。もし が有理数なら、互いに素な整数 を用いて と書ける。両辺を2乗して である。よって は7で割り切れるので、 も7で割り切れる。 とおくと より となる。したがって も7で割り切れる。これは が互いに素であることに反する。よって は無理数である。
(2)
偽である。反例を挙げればよい。 とする。このとき はともに無理数であるが、 であり、和も積も0でない有理数である。したがって命題は偽である。
(3)
偽である。 を考える。 は無理数である。任意の自然数 について、 は の形に書け、しかも は正の整数であることを示す。 では 、 で成り立つ。 と書けるなら であり、係数はやはり正の整数である。よって帰納的に成り立つ。
特にすべての で なので、 は有理数ではない。したがって「無理数は何乗かすると有理数になる」という命題は偽である。
(4)
真である。、 とおく。仮定より は有理数である。べき和 を考える。 は2次方程式 の解であるから である。これに 、 をそれぞれ掛けて足すと、 で を得る。
初期値は で、どちらも有理数である。漸化式の係数 も有理数なので、帰納的にすべての は有理数である。特に は有理数である。
別解
解法2(反例とべき和の明示式)
方針
偽の命題には共役な無理数を反例として使う。
真のべき和命題は を用いて
を明示的な多項式に直す。
解答
(1) 真。もし を既約分数で表せるなら
である。よって 、さらに となり、
既約性に反する。
(2) 偽。例えばはともに無理数だが、 である。
(3) 偽。 とする。と書くと だから、すべての で である。
従って は一度も有理数にならない。
(4) 真。 とすると、恒等式の展開から は有理数なので、右辺も有理数である。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安は18分。真偽判定では、偽の命題に反例を1つ出せば十分である。(2)は共役な形、(3)は の累乗がずっと無理数であることを使うと簡潔に処理できる。(4)は和と積が有理なら、べき和が漸化式で閉じることが核心である。命題ごとに「真」「偽」を先に書くと答案が読みやすい。