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九州大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 図形と方程式・三角関数文系数学 第3問(c)

正五角形の頂点を反時計回りにABCDEとし,
線分ACBDの交点をFBDCEの交点をGCEDAの交点をH
DAEBの交点をIEBACの交点をJとする.

(1) 三角形ABFと三角形AFHは合同な三角形であることを示せ.

(2) 三角形ABJの面積と五角形FGHIJの面積はどちらが大きいか検討せよ.

(3) 星形AJBFCGDHEIAの面積と,正五角形ABCDEからその星形を除いた残りの部分の面積は,
どちらが大きいか検討せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

図形と方程式三角関数 図形的解釈、面積比、面積計算

方針

正五角形の対角線と辺の比を φ=(1+5)/2 とおき、ペンタグラム内に現れる相似な正五角形と二等辺三角形の面積比で比較する。合同は正五角形の回転対称性と、対角線が黄金比で分割されることから辺の対応を確認して示す。面積比較では、全体の正五角形の面積を S として、中央の正五角形 FGHIJ、三角形 ABJ、星形部分の面積をそれぞれ S の比で表す。

解答

正五角形の一辺を a とし、対角線と一辺の比を φ=1+52 とおく。このとき φ2=φ+1 である。

(1)
正五角形の対称性により、対角線どうしで切り取られる小さな三角形は回転で互いに対応する。また、対角線は交点によって黄金比に分割されるので AF=AH=a,BF=FH=aφ である。さらに AB=a であるから、三角形 ABF の三辺は AB=a,AF=a,BF=aφ であり、三角形 AFH の三辺は AF=a,AH=a,FH=aφ である。したがって三辺がそれぞれ等しいので ABFAFH である。

(2)
正五角形 ABCDE の面積を S とする。内側の五角形 FGHIJ も正五角形であり、その一辺はもとの正五角形の一辺の 1/φ2 倍である。したがって面積比は長さの比の2乗だから [FGHIJ]S=1φ4 である。

一方、三角形 ABJ については、AB=aAJ=a/φBAJ=36 である。正五角形の面積は、中心から5つの合同な三角形に分けて S=5a24tan36 と書ける。よって[ABJ]S=12aaφsin365a24tan36=3φ5φ2である。φ2=φ+1 を用いて整理すると1φ43φ5φ2=3φ5φ4>0である。したがって [FGHIJ]>[ABJ] であり、五角形 FGHIJ の面積の方が大きい。

(3)
星形 AJBFCGDHEIA は、中央の正五角形 FGHIJ と、5つの合同な先端の三角形からなる。先端の1つ AJIAJ=AI=aφ,JAI=36 を満たすので、上と同様に [AJI]S=3φ5φ3 である。星形の面積を T とするとTS=1φ4+53φ5φ3=2φ3である。ここで φ3=2+5>4 だから TS<12 である。したがって、星形の面積は正五角形全体の半分より小さい。よって、正五角形 ABCDE から星形を除いた残りの部分の面積の方が大きい。

別解

解法2(単位円座標と行列式面積)

方針

正五角形を単位円上へ置き、交点を直線の連立方程式で求める。
面積は座標の行列式で計算し、黄金比 φ の式へ整理して比較する。

解答

φ=(1+5)/2 とする。正五角形を単位円上に置き、
対角線の交点を座標で求めると、対角線は1:1φに内分される。従ってAF=AH=AB,BF=FH=ABφ.(1)
上の3辺の対応から、三辺相等によりABFAFH.(2)
行列式による面積計算を、正五角形全体の面積 S で割ると[FGHIJ]S=1φ4,[ABJ]S=3φ5φ2.差は1φ43φ5φ2=3φ5φ4>0だから、FGHIJ の方が大きい。

(3)
星形を中央五角形と5個の合同な先端三角形へ分ける。
同じ行列式計算から、その面積 TTS=2φ3.φ3=2+5>4 より T/S<1/2 である。
従って、星形よりも正五角形から星形を除いた部分の方が大きい。

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安は25分。正五角形の対角線比 φ を使うと、合同・相似・面積比が一つの流れで処理できる。面積比較では絶対値を求めるより、全体面積 S に対する比で比べるのが効率的である。φ2=φ+1 を使った整理を省くと大小関係が見えにくいので、最後の正値確認まで書くとよい。

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出典: 九州大学 2000年度 前期 文系 第3問(c)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。