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九州大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 確率文系数学 第4問(a)

表のでる確率が12の公平な(歪みのない)コインがn枚,
表のでる確率が34の歪んだコインが1枚ある.
公平なコインはそれぞれを2回投げ,2回共に表がでた場合にそのコインを用意した箱に入れる.
また,歪んだコインはn回投げてn回すべてが表であったらその箱に入れる.
全部のコインについてこれを行ったとき,箱に入っているコインの枚数をXとする.

(1) n=2のとき,P(X1)Xの期待値を求めよ.

(2) P(X1)>1316となる最小のnを求めよ.

(3) Xの期待値と分散をnを用いて表せ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

確率 独立性の利用、余事象、期待値

方針

箱に入るかどうかを各コインごとの独立な事象として扱う。公平なコイン1枚が箱に入る確率は (1/2)2=1/4、歪んだコインが入る確率は (3/4)n である。P(X1) は余事象「どのコインも入らない」で求める。期待値と分散は、独立なベルヌーイ型確率変数の和として計算する。

解答

公平なコインのうち、i 番目のものが箱に入るとき1、入らないとき0をとる確率変数を Yi とする。また、歪んだコインについて同様の確率変数を Z とする。このとき X=Y1+Y2++Yn+Z である。公平なコイン1枚が箱に入る確率は (12)2=14 であり、歪んだコインが箱に入る確率は (34)n である。

(1) n=2 のとき、公平なコインは2枚であり、歪んだコインが箱に入る確率は (34)2=916 である。どのコインも箱に入らない確率は(114)2(1916)=(34)2716=63256である。したがって P(X1)=163256=193256 である。

期待値は和の期待値で計算できるので E(X)=214+916=1716 である。

(2)
一般の n について、どの公平なコインも入らない確率は (3/4)n である。また、歪んだコインが入らない確率は 1(3/4)n である。よってP(X1)=1(34)n{1(34)n}である。 x=(34)n とおくと、求める条件は 1x(1x)>1316 すなわち x2x+316>0 である。これは (x14)(x34)>0 と同値である。n1 では 0<x3/4 だから、厳密に不等式を満たすには x<14 が必要十分である。すなわち (34)n<14 である。(34)4=81256>14,(34)5=2431024<14なので、最小の n5 である。

(3)
期待値は E(X)=n14+(34)n である。

分散については、独立な確率変数の和なので分散の和をとればよい。公平なコイン1枚に対応する Yi の分散は 14(114)=316 である。歪んだコインに対応する Z の分散は (34)n{1(34)n} である。したがってV(X)=n316+(34)n(34)2nである。

別解

解法2(確率母関数)

方針

箱へ入る枚数の確率母関数を作る。
定数項から P(X=0)、1階・2階微分から期待値と分散を同時に読む。

解答

公平なコイン1枚が箱へ入る確率は 1/4 である。
歪んだコインが入る確率をp=(34)nとおく。独立性より X の確率母関数はG(s)=(34+14s)n(1p+ps).(1)
n=2, p=9/16 のときP(X=0)=G(0)=(34)2716=63256.従ってP(X1)=193256,E(X)=G(1)=1716.(2)P(X1)=1p(1p).これが 13/16 より大きい条件は(p14)(p34)>0.0<p3/4 なので p<1/4 が必要十分である。(34)4>14,(34)5<14より最小の n5 である。

(3)
母関数を微分するか、各ベルヌーイ変数の和としてE(X)=n4+(34)n,V(X)=3n16+(34)n(34)2n.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中5。目安は18分。公平なコインと歪んだコインで「箱に入る確率」が違うので、まず各コインごとの0-1確率変数に分けると整理しやすい。少なくとも1枚は余事象で処理するのが最短である。(2)では不等号が厳密なので、(3/4)n=1/4 のような境界を含めない点に注意する。分散は独立性を明記してから足し合わせる。

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出典: 九州大学 2000年度 前期 文系 第4問(a)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。