方針
互いに素の定義を公約数で明確にし、平方しても共通する素因数が現れないことを示す。 が有理数なら既約分数 として、 から を導く。最後は、3つの連続する自然数の中に平方数が2つ以上あると、正の平方数どうしの差が1または2になるはずだが、連続する平方数の差は少なくとも3であることから矛盾させる。
解答
(1)
自然数 が互いに素であるとは、 と の正の公約数が1だけであること、すなわち最大公約数が1であることをいう。
(2) が互いに素であるとする。もし と が1より大きい公約数をもつなら、ある素数 が と の両方を割り切る。素数 が を割り切るなら は を割り切り、同様に は も割り切る。これは が互いに素であることに反する。
したがって と は互いに素である。
(3) が有理数であるとする。このとき互いに素な自然数 を用いて と表せる。両辺を2乗すると である。したがって は を割り切る。
しかし は互いに素なので、(2)より も互いに素である。よって が を割り切るには 、すなわち でなければならない。したがって であり、 は自然数である。
(4)
(3) より、、、 が有理数であることは、それぞれ 、、 が平方数であることと同値である。
ところが、正の平方数を小さい順に並べると、隣り合う平方数の差は であり、 では である。したがって、差が1または2である2つの自然数がともに平方数になることはない。
よって連続する3つの自然数 の中に平方数は高々1つしかない。したがって 、、 のうち少なくとも2つは無理数である。
別解
解法2
方針
素因数分解に現れる各素数の指数で考える。
既約分数の分母に素因数があれば2乗後にも残ることを使い、
最後は平方数の差を因数分解して連続3整数を調べる。
解答
(1)
の最大公約数が1、すなわち共通する素因数をもたないことをいう。
(2)
素因数分解で に現れる素数は、それぞれ
に現れる素数と同じで、指数だけが2倍になる。
に共通する素因数がない以上、 にもない。
よって両者は互いに素である。
(3) を互いに素な自然数 で表すともし なら の素因数 は右辺を割るので を割り、
したがって も割る。これは が互いに素であることに反する。
よって で、 は自然数である。
(4)
有理な平方根が2つあるとすれば、(3)により
のうち2つが平方数である。
それらを とすると自然数 では なので
積は3以上となり矛盾する。したがって有理なものは高々1つであり、
少なくとも2つは無理数である。
総評
互いに素、既約分数、平方数の間隔を確認する整数論の基本問題。難度はやや易しめ、計算量は少なく、目安時間は12〜15分。(2)では「共通の素因数がない」という言い換えを使うと平方への移行が自然になる。(3)は を必ず既約分数で置くことが重要で、既約でないまま進めると が結論できない。(4)は(3)の結果を使って、有理性の問題を平方数の配置の問題に戻すのが狙いである。