Evolton

九州大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

正の整数aに対し,aの正の約数全体の和をf(a)で表す.
ただし,1およびa自身も約数とする.
たとえば,f(1)=1であり,
a=15ならば15の正の約数は1,3,5,15なので,f(15)=24となる.
次の問いに答えよ.

(1) aが正の奇数bと正の整数mを用いてa=2mbと表されるとする.
このときf(a)=(2m+11)f(b)が成り立つことを示せ.

(2) aが2以上の整数pと正の整数qを用いてa=pqと表されるとする.
このときf(a)(p+1)qが成り立つことを示せ.
また,等号が成り立つのは,q=1かつpが素数であるときに限ることを示せ.

(3) 正の偶数abは,
ある整数mnとある奇数rsを用いて
a=2mrb=2nsのように表すことができる.
このときabf(a)=2bf(b)=2aをみたせば,
rsは素数であり,かつr=2n+11s=2m+11となることを示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

整数数と式論証・証明 素因数分解、約数・倍数、必要十分条件

方針

(1)2 の冪の約数と奇数部分の約数を分けて和を積にする。(2)は a=pq の約数のうち少なくとも qpq があることから下限を出し、等号条件で余分な約数がないことを詰める。(3)は(1)で 2 の冪を外し、(2)の等号条件に持ち込む。奇数係数 2m+112n+11 が互いの奇数部分を割ることを最初に示すのが決定的である。

解答

(1) a=2mb とし、b は正の奇数であるとする。a の正の約数は、b の正の約数 d2i (0im) を用いて 2id とただ1通りに表される。

したがって約数の和はf(a)=(1+2+22++2m)f(b)=(2m+11)f(b)である。

(2) a=pqp2 とする。このとき qpq はどちらも a の正の約数であり、しかも相異なる。よって f(a)q+pq=(p+1)q である。

等号が成り立つとき、a の正の約数は qpq だけでなければならない。もし q>1 なら 1 も正の約数であり、1,q,pq は少なくとも3つの相異なる約数になるので等号は成り立たない。したがって等号成立には q=1 が必要である。 q=1 のとき a=p である。等号 f(p)=p+1 は、p の正の約数が 1p だけであることと同値であるから、p が素数であることと同値である。

よって等号が成り立つのは q=1 かつ p が素数 のときに限る。

(3) a,b は正の偶数なので a=2mr,b=2ns と書いたとき m,n1r,s は正の奇数である。

(1) より f(a)=(2m+11)f(r),f(b)=(2n+11)f(s) である。ここで A=2m+11,B=2n+11 とおく。条件 f(a)=2bf(b)=2aAf(r)=2n+1s,Bf(s)=2m+1r となる。 A,B は奇数である。したがって A2n+1 と互いに素なので、上の第一式から As が従う。同様に第二式から Br が従う。そこで s=As0,r=Br0 とおく。ただし r0,s0 は正の整数である。

これを上の式に代入すると f(r)=2n+1s0=(B+1)s0,f(s)=2m+1r0=(A+1)r0 となる。

ここで(2)を r=Br0 に適用する。B3 であるから f(r)(B+1)r0 である。ところが f(r)=(B+1)s0 なので s0r0 を得る。

同様に、(2)を s=As0 に適用すると f(s)(A+1)s0 であり、f(s)=(A+1)r0 だから r0s0 を得る。よって r0=s0 であり、上の2つの不等式はいずれも等号で成り立っている。

(2) の等号条件より、r=Br0 については r0=1 かつ B が素数、s=As0 については s0=1 かつ A が素数である。したがって r=2n+11,s=2m+11 であり、さらに r,s は素数である。

別解

解法2(約数の逆数和)

方針

f(a)/a=da1/dを使って約数和の下界と等号条件を得る。
(3)では2つの奇数部分が互いのメルセンヌ型因子を含むことを示し、
2つの下界が同時に等号となることから結論する。

解答

(1)
2mb の約数は 2jd (0jm, db) と一意に表せるのでf(2mb)=dbdj=0m2j=(2m+11)f(b).(2)
a=pq に対してf(a)a=da1d1+1p.よって f(a)(p+1)q。等号なら約数は 1,p だけなので
q=1 かつ p は素数であり、逆も成立する。

(3) A=2m+11,B=2n+11とおく。(1)と条件からAf(r)=2n+1s,Bf(s)=2m+1r.A2n+1 と、B2m+1 と互いに素だから
s=Au, r=Bv と書ける。するとf(r)=(B+1)u,f(s)=(A+1)v.(2)を r=Bv, s=Au に適用して(B+1)u(B+1)v,(A+1)v(A+1)u.よって u=v で両方が等号となる。等号条件から
u=v=1A,B は素数である。したがってr=2n+11,s=2m+11で、いずれも素数である。

総評

難度7、計算量6。目安時間は
26〜30分。
主題は整数・数と式・論証・証明である。解法1では誘導に沿った標準的な答案を、解法2では
異なる見方から全小問を再構成した。採点では、途中の必要条件を十分条件まで戻すこと、
場合分けの境界・等号条件・定義域を明記することが重要である。

冊子PDFで見る九大の整数の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2002年度 前期 理系 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。