Evolton

九州大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

区間[a,b]が関数f(x)に関して不変であるとは,
axbならば,af(x)bが成り立つこととする.
f(x)=4x(1x)とするとき,次の問いに答えよ.

(1) 区間[0,1]は関数f(x)に関して不変であることを示せ.

(2) 0<a<b<1とする.
このとき,区間[a,b]は関数f(x)に関して不変ではないことを示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

関数論証・証明 場合分け、不等式評価、背理法

方針

(1)0x14x(1x) が0以上1以下に入ることを、二次関数の最大最小で示す。(2)は不変区間が存在すると仮定し、端点 a,b と点 12 の像から位置関係を絞る。b<34 なら f(b)>ba>34 なら f(a)<a12 を含めば f(12)=1>b で破綻する。残る 12<a34b<1 では、a=34sb=34+t とおき、f(a)bf(b)a から得る2つの不等式を組み合わせて矛盾させる。

解答

(1) 0x1 では f(x)=4x(1x) であり、x01x0 だから f(x)0 である。また f(x)=1(2x1)2 と変形できるので f(x)1 である。したがって 0f(x)1 が成り立ち、区間 [0,1]f(x) に関して不変である。

(2) 0<a<b<1 で、区間 [a,b]f(x) に関して不変であると仮定する。このとき、特に axb を満たす端点 a,b について af(a)b,af(b)b が必要である。

まず、もし b<34 なら f(b)b=4b(1b)b=b(34b)>0 であるから f(b)>b となり、不変性に反する。したがって b34 でなければならない。

次に、もし a>34 なら f(a)a=a(34a)<0 であるから f(a)<a となり、不変性に反する。したがって a34 でなければならない。

さらに、もし a12b なら、12[a,b] であるにもかかわらず f(12)=1>b となる。これは不変性に反する。すでに b34>12 が必要であるから、この場合を避けるには a>12 でなければならない。

以上より、残る可能性は 12<a34b<1 だけである。そこで a=34s,b=34+t とおく。このとき 0s<14,0t<14 である。

不変性より f(a)bf(b)a が必要である。まずf(34s)=4(34s)(14+s)=34+2s4s2であるから、f(a)b34+2s4s234+t すなわち t2s4s2 となる。

またf(34+t)=4(34+t)(14t)=342t4t2であるから、f(b)a342t4t234s すなわち s2t+4t2 となる。

後者から特に s2t であり、前者から t2s4s2 である。したがって s2t2(2s4s2)=4s8s2 である。よって s(38s)0 となる。

ここで 0s<14 である。もし s>0 なら 38s>32=1>0 なので s(38s)>0 となり矛盾する。したがって s=0 でなければならない。ところが s=0s2t+4t2 に代入すると 02t+4t2 であり、t0 だから t=0 である。すると a=b=34 となり、a<b に反する。

したがって 0<a<b<1 を満たす区間 [a,b] は、f(x) に関して不変ではない。

総評

難度7、計算量6。二次関数の最大最小だけでなく、不変区間という条件を端点と内部点にどう使うかが問われる。(2)では最初から一般の [a,b] を直接処理しようとすると不等式が見えにくいので、b<34a>3412 を含む場合を先に除外するのが要点である。最後の a=34sb=34+t は計算量こそ少ないが、f(a)bf(b)a の向きを逆にすると結論が崩れる。試験では15分程度を見込み、場合分けを答案上で明示すると採点者にも論理が伝わりやすい。

冊子PDFで見る九大の関数の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2006年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。