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九州大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

以下の問いに答えよ。答えだけでなく,必ず証明も記せ。

(1)1+2++nnの多項式で表せ。

(2)12+22++n2nの多項式で表せ。

(3)13+23++n3nの多項式で表せ。

難易度3/ 10計算量3/ 10目安10

数列 数学的帰納法和の計算

方針

三つの和の公式を答えるだけでなく証明する問題なので,すべて数学的帰納法で統一して示す。各式についてn=1を確認し,nで成り立つと仮定してn+1の場合を整理する。特に三乗和では,仮定式に(n+1)3を加えたあと,共通因数(n+1)2をくくって(n+2)2/4に直すところまで書く。

解答

(1)

求める式は 1+2++n=n(n+1)2 である。n=1のとき,左辺は1,右辺も12/2=1であり成り立つ。

nで成り立つと仮定すると,1+2++n+(n+1)=n(n+1)2+(n+1)=(n+1)(n2+1)=(n+1)(n+2)2である。これはn+1の場合の式であるから,数学的帰納法によりすべての正の整数nで成り立つ。

(2)

求める式は 12+22++n2=n(n+1)(2n+1)6 である。n=1では両辺とも1である。

nで成り立つと仮定すると,12+22++n2+(n+1)2=n(n+1)(2n+1)6+(n+1)2=(n+1){n(2n+1)6+n+1}=(n+1)2n2+7n+66=(n+1)(n+2)(2n+3)6である。これはn+1の場合の式である。よって数学的帰納法により成り立つ。

(3)

求める式は 13+23++n3={n(n+1)2}2 である。n=1では両辺とも1である。

nで成り立つと仮定すると,13+23++n3+(n+1)3={n(n+1)2}2+(n+1)3=(n+1)2(n24+n+1)=(n+1)2(n+2)24={(n+1)(n+2)2}2である。これはn+1の場合の式であるから,数学的帰納法によりすべての正の整数nで成り立つ。

別解

方針

隣り合う累乗の差を k=1,,n で加える。平方差から一次和、立方差から二乗和、四乗差から三乗和を順に決めれば、3式を一つの流れで証明できる。

解答

(1) (k+1)2k2=2k+1k=1,,n で加えると(n+1)21=2k=1nk+nだからk=1nk=n(n+1)2である。

(2) (k+1)3k3=3k2+3k+1を加え、(1)を用いると(n+1)31=3k=1nk2+3n(n+1)2+nとなる。整理してk=1nk2=n(n+1)(2n+1)6を得る。

(3) (k+1)4k4=4k3+6k2+4k+1を加える。(1)(2)を代入すれば(n+1)41=4k=1nk3+n(n+1)(2n+1)+2n(n+1)+nである。右辺の既知項を移項して整理するとk=1nk3=n2(n+1)24={n(n+1)2}2となる。

総評

難度3、計算量3。公式暗記だけではなく証明を要求しているため,帰納法の初期条件と推移を省かず書くことが最重要である。特に二乗和・三乗和では,最後の因数分解まで答案に残すと採点者が確認しやすい。目安時間は10分以内で,計算量は軽いが,証明を一つだけで済ませたり「同様に」で飛ばしたりすると失点しやすい。

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出典: 九州大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。