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九州大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

pqはともに整数であるとする。
2次方程式x2+px+q=0が実数解αβを持ち,
条件(α1)(β1)0をみたしているとする。
このとき,数列{an}an=(αn1)(βn1)(n=1,2,)によって定義する。以下の問いに答えよ。

(1) a1a2a3は整数であることを示せ。

(2) (α1)(β1)>0のとき,
極限値limnan+1an
は整数であることを示せ。

(3) limnan+1an=1+52
となるとき,pqの値をすべて求めよ。
ただし,5が無理数であることは証明なしに用いてよい。

難易度8/ 10計算量6/ 10目安35

数列方程式・不等式 漸化式の変形、解と係数の関係、場合分け

方針

α+β=pαβ=q を使い、αn+βn を対称式として扱う。(1) は sn=αn+βn が整数係数の漸化式をみたすことから示す。(2) は α,β がともに1未満、またはともに1より大きい場合に分ける。前者では an1、後者では qn が支配的になり、比の極限はそれぞれ1、q で整数である。(3) は極限が無理数なので (2) の場合ではなく、一方の根の絶対値だけが1より大きい場合を考える。このとき極限は絶対値が1より大きい根の絶対値になり、整数係数の2次方程式に ±(1+5)/2 が根として入ることから p,q を決める。

解答

(1)
2次方程式 x2+px+q=0 の解が α,β であるから、解と係数の関係より α+β=p,αβ=q である。 sn=αn+βn とおく。α,β はともに r2+pr+q=0 をみたすので rn+2+prn+1+qrn=0 が成り立つ。r=α,β について足し合わせると sn+2+psn+1+qsn=0 すなわち sn+2=psn+1qsn である。

ここで s0=2,s1=α+β=p は整数であり、p,q も整数である。したがって漸化式により sn はすべて整数である。

またan=(αn1)(βn1)=(αβ)n(αn+βn)+1=qnsn+1である。よって qnsn が整数なので、特に a1,a2,a3 はいずれも整数である。

(2)
条件 (α1)(β1)>0 は、α,β がともに1より大きい、またはともに1より小さいことを意味する。

まず α<1,β<1 のとき、αn0βn0 であるから an=(αn1)(βn1)1 である。したがって an+1an1 であり、極限値は整数である。

次に α>1,β>1 のときを考える。このとき q=αβ>α,q>β である。したがって an=qn(αn+βn)+1 では qn が支配的であり、an+1anq となる。よって an+1anq である。q は整数なので、q も整数である。

以上より、条件のもとで極限値は整数である。

(3)
極限値 1+52 は整数ではない。したがって (2) の条件は成り立たず、α,β の一方が1より大きく、他方が1より小さい場合である。

たとえば α>1β<1 とする。このとき αβ<α であるから、an=qn(αn+βn)+1 では αn が支配的である。したがって an+1anα である。同様に、β>1α<1 のときは極限値は β である。

よって、絶対値が1より大きい方の根の絶対値が φ=1+52 でなければならない。つまり根の一つは φまたはφ である。

φφ2φ1=0 をみたす。p,q は整数で、方程式は最高次係数1の2次方程式だから、無理数根 φ をもてば、もう一つの根はその共役 152 である。したがって方程式は x2x1=0 であり、(p,q)=(1,1) である。

同様に、根の一つが φ のときは、もう一つの根は 1+52 であり、方程式は x2+x1=0 である。したがって (p,q)=(1,1) である。

実際、これら2つの場合はいずれも根の一方の絶対値が φ、もう一方の絶対値が 1/φ<1 であり、条件 α1β1 もみたす。よって求める組は (p,q)=(1,1),(1,1) である。

総評

対称式の整数性と、根の絶対値による極限の支配項を組み合わせる問題である。目安時間は35分。(1) は αn+βn の漸化式を作ると、個々の根が無理数でも整数性を示せる。(2) は両方が単位円の内側なら an1、両方が外側なら qn が支配的になるという二分が核心である。(3) は極限が整数でないため、片方だけが絶対値1を超える場合に限られる。無理数根をもつ整数係数の2次方程式では共役も根になる、という点を明示すると p,q の候補を漏れなく絞れる。

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出典: 九州大学 2012年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。