方針
、 を使い、 を対称式として扱う。(1) は が整数係数の漸化式をみたすことから示す。(2) は がともに1未満、またはともに1より大きい場合に分ける。前者では 、後者では が支配的になり、比の極限はそれぞれ1、 で整数である。(3) は極限が無理数なので (2) の場合ではなく、一方の根の絶対値だけが1より大きい場合を考える。このとき極限は絶対値が1より大きい根の絶対値になり、整数係数の2次方程式に が根として入ることから を決める。
解答
(1)
2次方程式 の解が であるから、解と係数の関係より である。 とおく。 はともに をみたすので が成り立つ。 について足し合わせると すなわち である。
ここで は整数であり、 も整数である。したがって漸化式により はすべて整数である。
またである。よって 、 が整数なので、特に はいずれも整数である。
(2)
条件 は、 がともに1より大きい、またはともに1より小さいことを意味する。
まず のとき、、 であるから である。したがって であり、極限値は整数である。
次に のときを考える。このとき である。したがって では が支配的であり、 となる。よって である。 は整数なので、 も整数である。
以上より、条件のもとで極限値は整数である。
(3)
極限値 は整数ではない。したがって (2) の条件は成り立たず、 の一方が1より大きく、他方が1より小さい場合である。
たとえば 、 とする。このとき であるから、 では が支配的である。したがって である。同様に、、 のときは極限値は である。
よって、絶対値が1より大きい方の根の絶対値が でなければならない。つまり根の一つは である。
は をみたす。 は整数で、方程式は最高次係数1の2次方程式だから、無理数根 をもてば、もう一つの根はその共役 である。したがって方程式は であり、 である。
同様に、根の一つが のときは、もう一つの根は であり、方程式は である。したがって である。
実際、これら2つの場合はいずれも根の一方の絶対値が 、もう一方の絶対値が であり、条件 、 もみたす。よって求める組は である。
総評
対称式の整数性と、根の絶対値による極限の支配項を組み合わせる問題である。目安時間は35分。(1) は の漸化式を作ると、個々の根が無理数でも整数性を示せる。(2) は両方が単位円の内側なら 、両方が外側なら が支配的になるという二分が核心である。(3) は極限が整数でないため、片方だけが絶対値1を超える場合に限られる。無理数根をもつ整数係数の2次方程式では共役も根になる、という点を明示すると の候補を漏れなく絞れる。