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九州大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

実数aと自然数nに対して,xの方程式a(x2+x+1+n1)=n(x+1)を考える。以下の問いに答えよ。

(1) この方程式が実数解を持つようなaの範囲を,nを用いて表せ。

(2) この方程式が,すべての自然数nに対して実数解を持つようなaの範囲を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

方程式・不等式 絶対値の処理、範囲評価、微分による最大最小

方針

u=x+1 と置くと、絶対値の分岐点が u=0 になる。u0 では a=nu/(u2u+n)u<0 では u=v として a=nv/(v2+3v+n) と表せる。どちらも分母は正であり、値域は1変数関数の最大値を微分で求めればよい。(2) は (1) の区間がすべての自然数 n で共通に含む部分を取るので、左端の最大値と右端の下限を調べる。

解答

(1) u=x+1 とおく。すると x=u1 であり、x2+x+1+n1=(u1)2+u+n1=u22u+u+n である。方程式は a{u22u+u+n}=nu となる。

まず u0 の場合を考える。このとき u=u なので a(u2u+n)=nu である。分母 u2u+nn1 で常に正であるから、a=nuu2u+n(u0) と表せる。

右辺を F(u) とおくと、F(u)=n(u2u+n)u(2u1)(u2u+n)2=nnu2(u2u+n)2である。したがって F(u)0un で増加し、un で減少する。さらに F(0)=0uF(u)0 である。最大値は u=n のとき F(n)=n2nn=n2n1 である。よって u0 から得られる a の範囲は 0an2n1 である。

次に u<0 の場合を考える。v=u>0 とおくと、u=v であり、方程式は a(v2+3v+n)=nv となる。したがって a=nvv2+3v+n(v>0) である。

正の関数 G(v)=nvv2+3v+n を考えると、G(v)=nnv2(v2+3v+n)2 である。よって G(v)v=n で最大となり、その最大値は G(n)=n2n+3n=n2n+3 である。v>0 であるから、a は負の値を取り、0には近づくがこの場合だけでは0を取らない。したがって u<0 から得られる範囲は n2n+3a<0 である。

2つの場合を合わせ、u=0 の場合に a=0 も含まれるので、求める範囲は n2n+3an2n1 である。

(2)
すべての自然数 n に対して実数解を持つには、(1)で得たすべての区間に a が含まれればよい。つまり n2n+3an2n1 がすべての自然数 n で成り立つ必要がある。

左端について、t=n1 とおくと t2t+3t が大きくなるほど増加する。したがって n2n+3n=1 のときが最大であり、最大値は 15 である。よってすべての n で左側の条件をみたすには a15 が必要十分である。

右端について、t2t1(t1)t が大きくなるほど減少し、limtt2t1=12 である。各 n では右端は 1/2 より大きいが、すべての na が右端以下であるためには a12 が必要十分である。

以上より、求める a の範囲は 15a12 である。

総評

絶対値を含む方程式を、パラメータ a の値域問題へ変換する問題である。目安時間は30分。u=x+1 と置くと分岐が u0u<0 にきれいに分かれ、どちらも同じ型の分数関数になる。(1) では分母が正であること、u=0a=0 が含まれることを確認する必要がある。(2) は各 n の区間の共通部分を取る問題で、右端は最小値を取らずに 1/2 へ近づくが、a=1/2 はすべての区間に入る点が少し紛らわしい。

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出典: 九州大学 2012年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。