方針
正の数に対して(∑1/xi)(∑xi)を考え、xi と 1/xi にコーシー・シュワルツの不等式を適用する。(1)は n=3 の場合として示し、(2)では同じ計算を一般の n 個で書く。等号はすべての xi が等しいときに起こることも確認しておく。
解答
(1)
コーシー・シュワルツの不等式より(a1+b1+c1)(a+b+c)≧(a1a+b1b+c1c)2である。右辺は (1+1+1)2=9 である。a+b+c>0 なので両辺を a+b+c で割って a1+b1+c1≧a+b+c9 を得る。
(2)
同様に、正の実数 x1,x2,…,xn について(i=1∑nxi1)(i=1∑nxi)≧(i=1∑nxi1xi)2である。右辺は (1+1+⋯+1)2=n2 である。xi>0 だからi=1∑nxi>0であり、これで割るとi=1∑nxi1≧∑i=1nxin2となる。
別解
解法2
方針
積を展開して、左辺と右辺の差を平方和へ直す。
3変数でも一般の n 変数でも同じ恒等式が成り立ち、
非負性から直ちに結論する。
解答
(1) (a+b+c)(a1+b1+c1)−9=ab(a−b)2+bc(b−c)2+ca(c−a)2≧0.a+b+c>0 で割ればa1+b1+c1≧a+b+c9.(2)
一般に(i=1∑nxi)(i=1∑nxi1)−n2=1≦i<j≦n∑(xjxi+xixj−2).各括弧はxixj(xi−xj)2≧0である。したがって積は n2 以上であり、
正の∑xiで割ってi=1∑nxi1≧∑i=1nxin2.等号は全ての xi が等しいときである。
総評
コーシー・シュワルツの不等式をそのまま使う基本問題。難度は易しめ、計算量は少なく、目安時間は8〜12分。(∑1/xi)(∑xi)という積を作り、各項を 1/xi と xi の積として見るのが核心である。(1)は(2)の特殊な場合だが、設問順に合わせて3変数で一度丁寧に示すとよい。分母∑xiが正であることを確認してから割る、という基本も答案では省かない方が安全である。
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出典: 九州大学 2001年度 後期 理系 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。