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九州大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験 方程式・不等式・論証・証明理系数学 第4問(a)

(1) xy0のとき,
不等式x1+xy1+yが成り立つことを示せ.

(2)

(i) 不等式x1+x+y1+y+z1+zx+y+z1+x+y+zが成り立つことを示せ.

(ii) (i)の不等式で等号が成り立つのはどのような場合か調べよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

方程式・不等式論証・証明 不等式評価、絶対値の処理、必要十分条件

方針

まず t/(1+t)t0 で増加することを、差を取って確認する。次に u=x+y+z を導入し、各項の分母を共通の 1+u に大きくして下から評価する。最後に三角不等式と単調性を組み合わせ、等号成立ではどの段階で等号が必要かを一つずつ戻って調べる。

解答

(1) x1+xy1+y=x(1+y)y(1+x)(1+x)(1+y)=xy(1+x)(1+y). xy0 より、分子は非負、分母は正である。したがって x1+xy1+y が成り立つ。

(2)

(2) (i) u=x+y+z とおく。ux であるからx1+xx1+u=x(ux)(1+x)(1+u)0である。同様に yz についてもy1+yy1+u,z1+zz1+uが成り立つ。よってx1+x+y1+y+z1+zx+y+z1+u=u1+u.また、三角不等式より ux+y+z. (1)を ux+y+z に適用すると u1+ux+y+z1+x+y+z. 以上を合わせて、求める不等式が示された。

(2) (ii)

上の証明で等号が成り立つには、まずx1+x=x1+u,y1+y=y1+u,z1+z=z1+uが同時に必要である。例えば1つ目の等号は x=0 または u=x のときに限る。したがって、x,y,z のうち2つ以上が0でないと、少なくとも1つの項で等号にならない。

逆に、x,y,z のうち0でないものが高々1つであれば、左辺と右辺は同じ値になる。したがって等号成立条件は x,y,z のうち高々1つだけが0でない ことである。

別解

解法2

方針

ϕ(t)=t/(1+t) の2変数に対する加法的不等式を直接計算し、それを2回適用する。最後に三角不等式と ϕ の単調性を使い、等号条件を積の消滅条件から読む。

解答

(1)

xy0 のときx1+xy1+y=xy(1+x)(1+y)0である。

(2)

(2) (i)

A,B0 に対してA1+A+B1+BA+B1+A+B=AB(A+B+2)(1+A)(1+B)(1+A+B)0が成り立つ。これをまず A=x,B=y、次に A=x+y,B=z に適用するとx1+x+y1+y+z1+zx+y+z1+x+y+z.三角不等式より x+y+zx+y+z であり、(1)を用いれば右辺はx+y+z1+x+y+z以上である。

(2) (ii)

2変数の式で等号となるのは AB=0 のときである。2回の適用で同時に等号となるには、x,y,z のうち2つ以上が0でなければならない。この条件なら三角不等式でも等号になる。したがって等号成立条件はx,y,z のうち少なくとも2つが0である。

総評

不等式そのものは短いが、等号成立条件まで正確に戻る必要があるため、想定時間は25分程度。左辺をいきなりまとめようとせず、u=x+y+z を置いて分母をそろえるのが中心発想である。等号条件では、三角不等式の等号だけを見ても不十分で、各項を 1+u に置き換えた段階の等号条件を確認することが重要である。

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出典: 九州大学 1998年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。