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九州大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

2次の正方行列ABはそれぞれA(35)=(01),A(79)=(811)B(01)=(56),B(811)=(710)をみたすものとする.
このとき,以下の問いに答えよ。
ただし,Eは2次の単位行列を表すものとする。

(1) 行列ABA2B2を求めよ。

(2) (AB)3=Eであることを示せ。

(3) 行列Aから始めて,BAを交互に右から掛けて得られる行列A,AB,ABA,ABAB,,および行列Bから始めて,ABを交互に右から掛けて得られる行列B,BA,BAB,BABA,を考える。これらの行列の内で,相異なるものをすべて成分を用いて表せ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安28

行列 計算整理、場合分け、漸化式の変形

方針

(1) は2本の一次独立なベクトルへの作用が与えられているので、列ベクトルを並べた行列を使って AB を決定する。得られた行列を直接2乗して A2=B2=E も確認する。(2) は AB を計算し、(AB)2(AB)3 と順に掛ける。(3) は A2=B2=E(AB)3=E により、交互積が6種類に周期化することを使い、E,A,B,AB,BA,ABA をすべて成分で列挙する。

解答

(1)
まずAを求める。与えられた条件を列ベクトルを並べて書くとA(3759)=(08111)である。左の行列の行列式は (3)(9)75=80 だから逆行列をもつ。したがってA=(08111)(3759)1=(5385)である。

同様にBについてはB(08111)=(57610)である。よってB=(57610)(08111)1=(6576)である。

これらを2乗するとA2=(5385)2=(1001)=Eであり、B2=(6576)2=(1001)=Eである。

(2)
まずAB=(5385)(6576)=(971310)である。さらに(AB)2=(971310)2=(107139)であり、(AB)3=(AB)2(AB)=(107139)(971310)=(1001)=Eである。

(3)
A2=B2=E であるから、同じ文字が連続した部分は消える。また (AB)3=E であるから、交互に掛けてできる行列は周期的に繰り返される。

実際、相異なる候補は E,A,B,AB,BA,ABA の6種類で十分である。これらを成分で表すとE=(1001),A=(5385),B=(6576),AB=(971310),BA=(107139),ABA=(1181511)である。

これら6個は互いに成分が異なる。また、Aから始める交互積もBから始める交互積も、A2=B2=E(AB)3=E によりこの6個のいずれかに必ず一致する。したがって、求める相異なる行列は上の6個である。

総評

与えられたベクトルへの作用から行列を復元し、交互積の周期性を調べる問題である。目安時間は28分。(1) は2本のベクトルが一次独立であること、すなわち並べた行列の行列式が0でないことを確認してから逆行列を使うとよい。(3) は行列をただ長く掛け続けるのではなく、A2=B2=E(AB)3=E によって候補が6種類に閉じることを説明するのが核心である。

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出典: 九州大学 2012年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。