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九州大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

座標平面上に原点O,点A(1,a),点B(s,t)がある。以下の問いに答えよ。

(1) a=1のとき,OABが正三角形となるような(s,t)をすべて求めよ。

(2) 3は無理数であることを証明せよ。

(3) OABが正三角形であり,aが有理数であるとき,
stのうち少なくとも1つは無理数であることを示せ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16

ベクトル整数論証・証明 回転・拡大、背理法、必要十分条件

方針

正三角形の第3頂点は,ベクトルOAを原点のまわりに±60回転して得る。(1)ではA(1,1)を直接回転する。(2)は既約分数を仮定する背理法で3の無理数性を示す。(3)では一般のA(1,a)を回転した座標を出し,as,tがすべて有理数だと3が有理数になってしまうことを使う。

解答

(1) a=1のときA(1,1)である。OABが正三角形であるためには,Bは点Aを原点のまわりに60または60回転した点である。

(x,y)60回転すると (x3y2,3x+y2) となる。したがって(1,1)を回転して (132,1+32) を得る。また60回転では (1+32,132) を得る。よって求める(s,t)(132,1+32),(1+32,132)である。

(2) 3が有理数であると仮定する。互いに素な自然数m,nを用いて 3=mn と表せるとする。このとき m2=3n2 であるから,m2は3の倍数である。よってmも3の倍数であり,m=3rとおける。すると 9r2=3n2 より n2=3r2 であるから,nも3の倍数である。これはm,nが互いに素であることに反する。したがって3は無理数である。

(3) OABが正三角形であるとき,BA(1,a)を原点のまわりに±60回転した点である。したがって (s,t)=(1a32,3+a2) または (s,t)=(1+a32,a32) である。

ここでaは有理数であるとする。もしs,tがともに有理数であれば,第1の場合には 3=2ta となり,第2の場合には 3=a2t となる。いずれの場合も右辺は有理数であるから,3が有理数になってしまう。これは(2)に反する。よってstのうち少なくとも1つは無理数である。

別解

解法2

方針

(1) は3辺の長さが等しい条件を座標で連立する。(2)は3で割った余りを用いる背理法で示す。(3)は正三角形の面積を行列式で表し,有理数だけを仮定すると 3 が有理数になることを導く。

解答

(1) OA2=2 である。正三角形の条件OB2=2,AB2=2s2+t2=2,(s1)2+(t1)2=2であり,差を取ると s+t=1 となる。よって st=1/2 で,s,tX2X12=0の2根である。したがって(s,t)=(132,1+32),(1+32,132).(2) 3=m/n と既約分数で表せると仮定すると m2=3n2 である。平方数を3で割った余りは0または1なので,m2が3の倍数なら mも3の倍数である。m=3r とおけば n2=3r2 となり nも3の倍数となる。既約性に反するので 3 は無理数である。

(3) 正三角形の面積を2通りに表す。底辺 OA の長さは 1+a2 だから,[OAB]=34(1+a2).一方,座標による面積は[OAB]=12tas.したがってtas=32(1+a2).もし a,s,t がすべて有理数なら左辺は有理数であるが,右辺は0でない有理数と無理数 3 の積であり無理数となる。矛盾するので,s,t の少なくとも一方は無理数である。

総評

難度5,計算量4。目安時間は16分。正三角形の条件を距離の連立方程式で解くこともできるが,60回転を使うと構造が最も見えやすい。回転公式の符号を取り違えると(1)の2点が入れ替わるため,両方を列挙して確認したい。(3)は「有理数だけで作ると3が有理数になる」という背理法であり,(2)を明確に利用する流れを答案に残すことが重要である。

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出典: 九州大学 2017年度 前期 文系 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。